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【新人研修】スタートアップにおける仲間育ての歩み

こんにちは。ドクターメイトのカスタマーサクセス(CS)でお仕事をしているMariko Okamotoと申します。
ドクターメイトはシリーズBのスタートアップで、提供サービスはいわゆるSaaS、バーティカルSaaSに該当します。
仲間はどんどん増えており、現在は50人近くになりました。そのうちCSには10人ほどが在籍しており、社内でもメンバーが多いチームです。
バックグラウンドも様々で、医療系IT系ブライダル系(ブライダルを別軸にするくらいいる)など個性的な仲間が揃っています。
急成長を駆け抜けてきた既存メンバーには多くの知見がありましたが
・教えるリソースがない
・属人化しており教え方がバラバラ
・新しい人の漠然とした不安
という課題も浮き彫りになっていました。

弊社の採用は「仲間集め」がモットーです。
せっかく仲間になってくれた新メンバーに安心してお仕事してもらいたい!どんなバックグラウンドでもCSとして羽ばたけるように翼を授けたい!
サービスの質を均一化しお客様により良い体験をお渡ししたい!
ということで、CS OJTチームが立ち上がったのが2022年の2月のことです。
現在9ヶ月が経ち、その間にプログラムが体系化して立ち上がりコンテンツが増え受講者も増えてきました。
まだブラッシュアップの過程ではありますが、ここまでの歩みを文字に起こしてみようと筆を執りました。新人教育の一例として、お読みいただければ幸いです。

プログラムの骨格

Off-JT・OJT

基本的な内容をOff-JTでお伝えした後オンボーディング、アダプションと顧客と同じ流れでOJTを進めます。各セクションではロープレを行い、ロープレテストに合格すると次のセクションに移れる仕組みです。ロープレはもっぱら顧客接点の場を想定し、用意してあるよくある質問集や実際の動画を各自インプットして臨んでいただいています。ロープレには明確に合格基準があり、チェックシートに基づいて採点しています。
アダプションでは一部事例検討を採用しており、各人に割り当てられた実際の事例をもとに、情報収集・分析・打ち手の検討まで行いプレゼンをしていただきます。

メンター制度

一人の新メンバーに対して一人のトレーナー(メンター)をつけ、慣れるまで振り返りの1on1を行います。業務手順の手ほどきも行いますが、どちらかというと伴走者という方が近い役割です。トレーナーは新メンバーにとっては一番身近な先輩であるため、心理的安全性が築けることを大切にしています。年齢・バックグラウンド・キャラクターが近しく、かつマネジメントクラス以外を割り当てています。

教育コンテンツ

このNotionページを丸ごとコピーして一人1ページ付与しています。教育に必要な内容は全てNotionページに集約してあります。一部ドライブ等に保存されているものもありますが、最終的には全てNotion化する予定です。現時点でもリンクを貼り必要な項目にジャンプできるように設定してあります。

現在使っているNotionページ①(Ver4以降)
Notionページ②

OJTチームの構成

立ち上げメンバーは直近でCSに入社した3人でした。その後直近で異動してきたメンバー、新生OJTを受講してくれたメンバーを迎え入れ現在は5人で活動しています。
役割はそれぞれSMBオンボーディング、アダプション、オペレーション、エンタープライズと、特に諮ったわけではありませんがバランス良く揃っています。年齢も上が30代(自称)、下は27歳とこちらもバランスが良い(?)です。
(仲良しなんだけど写真がない)

OJTチームの歩み

発足1〜3ヶ月

チームが発足したとき、すでに既存メンバーが作成した教育内容がTrelloにありました。これは当時CSの業務フロー(マニュアル)はTrelloに掲載しており、その業務フローの一部を教育内容に充てる構成になっていました。
内容は新メンバーに教えなければいけない業務フローやツールのセットアップ、各自の担う役割の話など、かなり多方面に渡る深いものだったのを色濃く記憶しています。
CSというのは経験者自体も多くなく、バーティカルSaaS、しかも介護領域だと経験者など存在しないに近いものです。既存メンバーの知見を新メンバーにインプットする必然性は言わずもがなであり、業務フローなど業務的な内容を含めると教える内容はかなり多かったと思います。自分が入社したときはこの内容をすべて手ほどきしていただき、本当に有り難いと同時にかなり大変だったのではないかと感じていました。

この内容を武器として、どのようにリニューアルしていくか。
私たち3人は手探り状態ではありましたが、今あるこの内容を踏襲し、素材の配置、教えるタイミング、素材の過不足を抽出し補足することを最初のマイルストーンに置きました。そして、2回目のMTGで異動してきた直後(2週間くらい)のメンバーを誘い、4人体制になりました。

当然、何もかもうまくいくわけではありません。
全員の熱量が高いだけに、何をどこに置くのか、構成はどうするのか、何が足りないのかという意見の集約が難しいシーンも多々ありました。その都度書き出して要素分解を行い、折衷案を取り込んで進めていきました。
ただ、最初から決まっていたのは
・メンターをつける
・進捗管理できる仕組みにする(教わった教わってないが誰でもわかる)
・新メンバーがある程度自走できるものにする
この3点でした。この3点を踏まえ、新メンバーにTrelloボードを一枚付与し、その中で進捗管理をしていこうと決めました。CSチーム全員がそのボードは閲覧でき、教えた教えてないの管理はもちろん、新メンバー自身が内容を自分でインプットしていけるように構成しました。
この形態はツールの変更、内容の変更はあるものの、後々OJTの軸として発展していくことになります。

実際のTrelloボード(Ver2、Ver3)

発足4〜6ヶ月

TrelloでのOJTは概ね上手く進み、問題なく(というか想像以上に)メンバーがダッシュを決めてくれました。
この最初の新生OJTを受講してくれたメンバーを誘い、5人体制になったのが5月末(4ヶ月目くらい)のことでした。
このときにはOJTの受講者が2人になっていましたが、振り返ってみると内容がもっぱら中途採用者、かつほぼ自走できる人向けに構成されていました。そのため、今後採用が進み、会社組織が大きくなることを考えるとバージョンアップの必要があるという見解で全員が一致します。
テーマを「もう少し若く、経験が浅いメンバーでも活躍できるような内容も網羅しよう!」として、改修に乗り出すことになりました。
主に増やした内容としては以下6点です。
・コミュニケーション研修を大幅に加筆、Ver2へ
・理解度チェックシート(小テスト)作成
・インサイドセールスの協力で架電研修の追加
・TrelloをNotionに移行、無理やりカード化したものをリストに変更、資料庫設置
・NotionにOJT担当者向け資料庫設置
・ロープレのチェックリストを作成
一言でいうと、誰がOJTを担っても同じ質を担保できるよう、どんな新メンバーでも一定の水準まで成長できるよう思いを形にしていきました。

この6点ですが、ここでは端的にまとめたものの改修におおよそ3ヶ月を要しました。
「誰でも」というのは体のいい言葉ですが体現するのは非常に難しいものです。「誰」というのにどんなバックグラウンド、どんなキャラクターを想定するのか。展開する環境はどんな環境を想定するのか。正解はきっと一つではないから、どれも正解にできるように想定し得る限り細かいところまで網羅させるよう話し合いを重ね努めてきました。

発足7ヶ月〜現在

Ver4になった8月、新メンバーが3人入社してきました。年齢、バックグラウンド、性別がそれぞれ異なる顔ぶれです。新メンバーそれぞれにとって受けやすく成長の機会になる研修なのか、仕組み化され既存メンバーの負担軽減に繋がるのか、そういった意味でOJT Ver4の真価が問われました。
3人同時受け入れということで、トレーナーも3人に割り当てOJTがスタートしました。
メンバーにより受講する研修が若干異なったことから進捗にばらつきが出たこと、OJT以外の業務が重なったことなど様々な要因がありOJTを一旦ストップしたり各種微調整しながらではありましたが、チームでフォローしあいながら乗り越えてきました。

OJT期間中Ver5ローンチにあたり、以下4点を見直し加筆修正していきました。
・アダプションOJTに事例検討を採用
・手が空いた時間にできる作業置き場を設置
・OJTの目標(ゴール)を決定
・コミュニケーション研修をCS全メンバー対象に受講範囲を拡大

アダプションでの事例検討は、「実際の顧客を担当するとして自分ならどのように関わっていくか」を情報収集→分析→計画立案まで一気通貫で考えていくという内容で、実践に近い研修としてかなり練り込んで作成しました。原案は看護師メンバーが学生時代にやっていた「ペーパーペイシェント」に近いものです。
ところが実際の事例を目にする機会がないとなかなか打ち手まで考えるのは難しいという事実が判明し、研修途中で研修の形式を変更するなど混乱も発生してしまいました。
これも一つの気づきとして前向きに捉えVer6に活かしていく予定です。

コミュニケーション研修は新人向けOJTとは内容がやや逸れるものですが、発信者としての顧客とのコミュニケーションから受信者としてのアンガーマネジメントや認知の歪みなどかなり幅広い内容を網羅していたため全員受講に拡大し実施しました。

これからの展望

一定型化してきたので、会社のフェーズや目指すものに合わせてチームとしてもその役割を担っていきたいと考えています。
教育は一種の投資であり、即効性こそないものの着実に未来へ羽ばたくための翼になるものです。今後会社組織が大きくなったり、多様な仲間を集めていったりするときに、この教育プログラムが決定打になり仲間を増やしてくれるようこれからも励んでいこうと思っています。

冗長な文章になってしまいましたが、この歩みがなにかの参考になれば幸いです。
弊社で働いてみたい!興味ある!と思われた方、こちらまでご連絡ください。

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