マレーシアも「すぐやる」こともある:2021年10月6日(役所改革の日)
マレーシアで暮らしていると、道路の陥没や信号機の故障がなかなか治らない。
うちの近所では、きっと車が激突したであろうという壊れ具合、粉々の歩行者用信号機ポールが2週間くらい路肩の草むらに放置されたままだ。
道路も整備がきちんとされている区画もあれば、歩きスマホなんてしていたら落とし穴に落ちてしまうような危険な歩道もある。
最初はそんな「マレーシアあるある」に戸惑っていたけれど、今ではすっかりそれが当たり前、日常の光景になった。
10月6日は役所改革の日。1969年(昭和44年)、千葉県松戸市役所に「すぐやる課」が設置された日だ。
「すぐやらなければならないもので、すぐやり得るものは、すぐにやります」をモットーに、役所の縦割り行政では対応できない仕事をするのが「すぐやる課」。
主な業務は、スズメ蜂等の駆除や道路上で危険となるような放置物の撤去、市が管理する道路上の簡易的な修繕など、安心・安全な生活環境の実現に向けて市民の声に応えているそうだ。
「すぐやる課」を設置した日本の自治体の中には、後に廃止をしたところもある。廃止の理由は「職員全体に『すぐやる』という意識が定着してきた」ということだった。
たしかに「すぐやる課」があるのであれば、役所内の他の課はすぐやらないの?ってなってしまうし、「すぐやる課」がきっかけで、意識が変わったとしたら成功例かもしれない。
「すぐやる」ことは気持ちいい。「すぐやる」と終わったときに「すぐやったぞ!(できたぞ)」という不思議な達成感があるのだ。
そして仕事が早いと評価も高くなって、また次の仕事も任せられる。
うちの近くの粉々の信号機ポール、日本であれば「すぐやる課」の出番だろう。でも、マレーシアでは壊れた信号機が路肩にあることに対して、「そういうもんだ」とみんな気にしない。
しかしながら昨年の3月のこと、マレーシアは疫病への対応は超速だった。
ロックダウンしたと思ったらすぐに接触アプリを開発したり、ソーシャルディスタンス啓発のシールやポスターが「いつ作ったんだ?」という早さで3日もしないうちに街中に貼られたりと、ことによってはすごい瞬発力を発揮することに驚いた。
政府の発表が急にあって、色んなことがいつの間にか決まっていて戸惑うこともあるけれど、はっきりと明確に規制することや緩和することを発表してくれるのは、この国に暮らす住民としては心強かった。
政策には賛否両論があるけれど、「マレーシアもすぐやることがあるんだなぁ」と、日頃仕事をしない上司のいざという時頼りになるところを見たような少しときめく気持ちになったことを覚えている。
松戸市の「すぐやる課」も、道路や上下水道などの整備が追いつかず、各種のひずみが目立つという状況、住民の住環境に対する不安の声から発足している。
「すぐやる」課があれば、「すぐやる」人がいれば、それは大きな安心に繋がっていく。
大事なことほど、すぐやろう。
うちの近くの粉々の信号機ポールはいつ片づけられるのか?
マレーシアの道路では歩行者用の信号機なんてあってないようなもの、まず、暑い中歩いている人がほとんどいないし、歩行者用信号機が青でも平気で突っ込んでくる車がいるので、私も基本信号機を信じていない。
なので、これはマレーシアでは「すぐやらなくていい」。
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