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EFM Co-Production Market Visitors Programme@Berlinare参加レポ

2月末にVIPOの計らいで参加させてもらった、ベルリン映画祭のVisitors Programme について備忘録的にまとめておきたいと思います。 European Film Market の Co-Production Market のプログラムの一つです。

一聞、わかりづらいので簡単に説明しますと...

ベルリン国際映画祭

ヨーロピアンフィルムマーケット:ベルリン国際映画祭の併設マーケット

コプロダクションマーケット :企画マーケット

ビジターズプログラム:レクチャーやソーシャルネットワーキングなど

といった感じの枠組みです。

巨大映画祭なので、とにかく色んなプログラムが同時進行している印象。コンペ作品など観たかったのですが、チケットはブースに買いに行かなきゃだったり、しかもほとんどが売り切れで一本も鑑賞できませんでした。(この点はロッテルダム映画祭の方がチケットをアプリで買えたりと便利だと思う)

↓コプロダクションマーケットの会場@マルティン・グロピウス・バウという美術館

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中の全体の写真は撮ってなかった ...

↓世界中から配給会社や制作会社、フィルムコミッションなどがブースを出してます。

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↓ビジターズプログラムはその向かいの建物で行われます。政府の建物でした。

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ビジターズプログラムは、各国からプロデューサーが集まり、レクチャーを受けたり、テーブルに分かれてプレゼンした後に自分が抱える企画の問題点を質問できたりと、ロッテルダムラボのようなプログラムです。ただ規模はもう少し大きく、19ヵ国、100人くらい?の参加者がいました。ロッテルダムラボのメンバーが何人も参加していてさっそく再会できました。

で、実際に私が参加した内容がこちら。プログラム自体は22日からありましたが、私は日本でダビング作業があり1日遅れての参加でした。

2月23日(日)
・Visitors Meet & Match
メンバーがかぶらないように3パターンのグループ分けがされており、それぞれ5分ずつくらい?で自己紹介と企画の紹介などをしました。講師によっては、「その国で撮影したいならあのプロデューサーに聞くといいよ」みたいな感じで、メンバー内で必要な人を紹介し合うよう促してくれたり。すごい実践的でした。

・ Country Session: Poland, Chile, Colombia, Ireland, Italy, Taiwan & Ukraine
各国のフィルムコミッションによる撮影誘致のためのプロモーションタイム。持ち時間が短いように感じましたが、どの国もタックスバックなど魅力は様々で国を挙げての政策が多かったように思います。中でも台湾はすごい熱心な印象を受けました。日本でも、数億円以上のバジェット作品だけでなく、ローバジェットの国際共同製作の誘致事業を国全体で行って欲しいなぁ。

・Speed Matching
3分ずつくらいで自己紹介と企画ピッチング。参加者がスペースに見合わず席が足りていない!私も立ったまま4人ほど話しました。担当スタッフも仕切るのに慣れていない様子。

↓Visitors Meet & Matchの様子。

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2月24日(月)
・Panel: Film Families & Networks – How to build steady co-production relations
 年配の経験値の高いプロデューサーたちの話で、自分たちがどのような国際共同製作をしてきたかというケーススタディのような感じ。司会(?)をしていたセルビアのプロデューサーは自身の企画も共同プロデューサーとしても年齢の割に経験を積んでおり、パワフルな女性プロデューサーという印象でした。全体としては東欧(?)なまりの英語で私には少し聞き取りづらかった部分がありました。

・ ARTE Kino International Prize – Award Ceremony
企画マーケット参加者の授賞式。15分くらい?受賞者の話もほんの一瞬だった、ペラ一枚の資料をもらいましたが、ログラインのみだったので、受賞作品の内容をもっと理解できたらと思いました。

・VFF Talent Highlight Award – Pitches & Award Ceremony
こちらは企画マーケット参加者のピッチ。おそらくレクチャーを数日受けた参加者が実践する、といった意味合いのものだったと思います。プロデューサーと監督が二人で作品紹介をするので、興味深く聞くことができました。今回アジアの組が二組入っていたのですが、インドネシアとネパールからで、とてもレベルが高いように感じました。来年は無理かもしれませんが、自分も作品を持ってTalent Project Marketに戻ってこれたらなぁ、と。

・Books at Berlinale
ブックのセラーが1作品ずつ紹介していくセッションでした。司会の方がとても明るく、どんどんと作品を回していくのが印象的。中には著者も来場していましたが、インタビュー的なものもすごく短く、とにかく紹介する書籍の数が多かったです。英語での書籍を映画化することは自分の中で目標に入ってなかったけど、世界には色んな映画の成り立ちがあり、そこで動くビジネスやたくさんの人がいるのだなぁと実感。

という感じで、参加プログラムはあっという間に終了。

残りの二日は、知り合いのプロデューサーとミーティングをしたり、新しくコンタクトをくれたギリシャ人の監督やオランダ人のプロデューサーとミーティングしてみたり。余った時間はマーケットをうろついて各国のフィルムコミッションの資料を集めたり。

ロッテルダムラボもそうでしたが、参加者のプロフィールが事前に全員分共有されるので、ガンガン会いましょうメールが来ます。こちらからも気になる人にはアポを入れられるし、実際に資金繰りや各国の助成金申請の段取りまで話し合えたりするので、本当に自分次第で素晴らしいチャンスが転がっているものだと実感しました。

世界で通用する日本映画を作る、というのはいかに「外」を利用するかにかかっていると思います。

今回はVIPOの派遣事業で連れて行ってもらえたのですが、今後は企画マーケットや作品コンペで戻れるように頑張らないと。本当、まじ、動いて考えて作った人にしか経験できない感動が世界の映画祭には溢れているんだよなぁ。

ロッテルダムラボ、ベルリンのビジターズプログラムへ共に参加した日本からの若手プロデューサー(私は35歳で最年長だけど)たちからも受けている刺激は強く、彼らと一緒にどんどん世界へ出ていけたらなと思ってます。

ちなみに、私は帰国子女でも留学経験があるわけでもないですが、なんとかこの数年で英語学習に本腰を入れ、やっと映画業界の人たちとコミュニケーションが取れるレベル。思うのは、語学の壁のために海外の映画製作事情に足を踏み入れたり国際共同製作を避けているのであれば本当にもったいない、ということ。語学力はやる気の問題だし、どうにかなる。「どんな映画を作りたいのか」という根本がシビアに問われるだけなので、パッションがある人はとにかく飛び込んでみた方が良いと思います。私もまだ飛び込み始めたところなので、一緒にがんばれる仲間が増えていければ嬉しい限りです。

とりあえずコロナ収まってくれ。と強く願いつつ。

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