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Rotterdam Lab@IFFR 参加レポ

オランダ・ロッテルダム映画祭で毎年開かれるプロデューサー養成ラボ

ロッテルダムラボ /Rotterdam Lab

に、2020年1月下旬、参加してきました。

31ヵ国から69名の映画プロデューサーが集結しました。

国際共同製作の企画プレゼン、助成金のワークフローから制作中の問題解決まで、ひたすらレクチャーと実践の5日間。20年もの歴史があるプログラムです。

映画学校的なものに通ったことがない私としてはありがたい機会です。

で、具体的に私が参加した内容はこんな感じ。

1月25日(土)
・”La Fortaleza”@Pache5 (ケーススタディ映画鑑賞)
・Speed dating Rotterdam Lab(プログラム)
・Rotterdam Lab & Projects Dinner @BIRD
・”初恋”@ Oude Luxor Theater(映画鑑賞)

1月26日(日)
・Perfecting your Pitch with Idol Abram(プログラム)
・Co-Production Case Study La Fortaleza(プログラム)
・Pitching Feedback(プログラム)
・IFFR Pro Drinks hosted by Telefilm Canada
・”Kala Azar”@Pache5(映画鑑賞)

1月27日(月)
・Round tables with Industry Experts(プログラム)
・Co-Production relationships and Financing(プログラム)
・Negotiate your best deal with Stefan Rill(プログラム)
・IFFR Pro Drinks hosted by British Council
・”Lusala”@Cinemara6(映画鑑賞)

1月28日(火)
・The Story Rainbow with Samm Hailly(プログラム)
・Conversations about stories with David Pope(プログラム)
・The shifting role of the Creative Producer: producing for Series and Platforms(プログラム)
・How to Differentiate Your Company and Deal with Failures(プログラム)
・”Bring Me Home” @ Oude Luxor Theater(映画鑑賞)

1月29日(水)
・Post Production in a Co-production by APostLAb(プログラム)
・Marketing Strategies with Mathias Noschis(プログラム)
・Round Tables with Industry Experts(プログラム)
・Closing Keynote : The sprint of creative producing with Katriel Schory
・IFFR Pro Award Ceremony & Drinks
・IFFR Pro Closing Party @BIRD

「プログラム」というのはラボが主宰する講師やゲストを招いた授業みたいなもので、「Drinks」や「Party」は文字通りパーティなどのソーシャルネットワーキング、「映画鑑賞」は個人的に観たいものなどをチョイスして劇場に行きました。(ラボのメンバーはほぼ無料で映画が観れるのです!)

初日はまずスピードデーティング。

これは69名の参加者が向かい合って円になって3分ずつ自己紹介をしていくというもの。普段どんな映画を作っていて、今回こんな目的で来ました、みたいな。それを1時間くらい?ガンガン回していくのです。

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そして2日目にして最大の山場だったのが、Pitching Feedback。

7人くらいずつテーブルに分かれ、テーブルに1人講師がつき、自分の企画を5分くらいでピッチング(プレゼン)をします。で、その場で質問されたり、アドバイスをもらったりするのです。こういうプログラムがあるとわかっていたので、私は自分の企画(フィリピンとの共同製作)について英文を作ってひたすら練習していた、、その甲斐もあり自分の持ち時間はなんとか終了。ただ、他のメンバーから鋭いツッコミがあった時に咄嗟に自分の言葉で[明確に]答えるというのが、難しい。というか英語でのディスカッション慣れの前に、プロジェクトのディテールを完璧にしておかないと、通用しないということだ、と。そりゃそうだ、なんですけど。。

「想定してるつもり」になっていて、具体的にこうなったらどうするの?みたいなこと言われた時に、「あー、えーっと、、モゴモゴ」してるとどんどん飽きられる。そのプレッシャーたるや、、すごいエネルギーを消耗して、学びを得ました。

そのほかは、講義形式のプログラムが多かったです。

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椅子に座って講義を聞くなんて大学以来だなと思いつつ、大学時代みたいにぼけっとしているわけにはいきません。とにかく英語についていくのに必死で脳みそフル稼働でした。よくわからない単語も多々登場するのですが、何せ「映画」のことを話しているし、講義はそれぞれ具体的なトピックがあるので、内容が全くわからないということはありませんでした。

あと、講義を聞くときは一番後ろの席に座るように。そうすると、どの国のどの参加者が積極的に講義に参加し、どのタイミングでメモを取ったり、関心を寄せているかがよくわかるわけです。よく質問をしていたり、興味深いピッチングをした人に、空いている時間に話しかけてみたり。わたし、やる気に満ち溢れてたな。

ちなみに、この↓授業、講師の話がスタンドアップコメディ聞いてるみたいで面白かったです。プロデューサーが現場でいかに困難を乗り越えていくかという話。

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ちなみに、参加者のうちアジア勢は日本3名(私を含む)、シンガポール2名、台湾1名、ベトナム1名、バングラディッシュ1名、てな感じでした。あとはアメリカ、カナダ、メキシコ、ブラジル、ヨーロッパはほとんどの国がいたような、、あとはアフリカ大陸からは4、5名だった気がします。

そんな世界中からの69名です。全員とは話せなかったけど、SNSで繋がる人も多く、帰ってきてからもコミュニケーションは続きます。

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みんな、それぞれの国の映画機関から選出されたメンバー。日本はVIPOが公募しており、私もHPから応募して、書類選考後に面接をして、選んでいただきました。(ほんとありがたい)

ヨーロッパからの参加者は各国の助成金事情を頻繁に情報交換しており、プロデューサー間のネットワークの構築の速さも強さも感じました。アジアも映画祭や助成機関、またプロデューサー同士の交流やプログラムがもっと育てば良いな。(それらを担っているのが私たちなのだろう、、、)

ということで濃密すぎました。

いつか、いや、近年中にコンペ(Tiger Competition)で戻ってこよう、と誓うのでした。まずは面白い企画をちゃんと成立させなければ!

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↓これは去年の参加者インタビューです。ご参考までに。

今年もきっと夏には募集があるはずです。若手の映画プロデューサーの方、絶対行った方が良いです!全力で挑戦おすすめします。


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