Sachiko Miyase

映画やドラマの脚本を書いたりプロデューサーをしたり現場も走り回ったりします。近作は『君…

Sachiko Miyase

映画やドラマの脚本を書いたりプロデューサーをしたり現場も走り回ったりします。近作は『君が世界のはじまり』です。東京とブリスベンで活動中 //ARRDEP// https://arrdep.film/

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  • 映画『君が世界のはじまり』

    映画『君が世界のはじまり』に関連した記事です。

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    映画やドラマの個人的感想です。基本的に良いと思ったものだけ紹介します。※たまに自分が関わった作品も

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『君が世界のはじまり』だって言える世界に。

例えば自分にとってその人は、 弱さをさらけ出せる人 腹がよじれるくらい笑い合える人 四六時中考えてしまう、そばにいたいと思える人 涙を拭ってあげたい、助けたいと思える人 幸せになってほしいと思う人 である。そんな人と出会えたがことが「世界のはじまり」だなって思う。 人にとってそれは家族かもしれないし、友達かもしれないし、まだ話したこともない人かもしれない。もう出会ってるかもしれないし、出会ってないかもしれない。きっとどこかにいる。見つけようと思って見つかるものでもないかも

    • はじまりは模擬裁判 -なかったことにされちゃうんじゃないかと思って-

      「証拠不十分により不起訴!」  15、16年前、法学部(専攻は政治)の学生だった私は、裁判員制導入前で頻繁に行われていた模擬裁判のワークショップに何度か通った。(裁判員法は2004年に成立し2009年に施行された)  そのワークショップは大学の授業ではなく、NPOが主宰するものだったので、他大学の大学生たちが20人くらい集まっていたと思う。裁判所から派遣された指導する立場の人がいたような気がする。自発的に参加した理由としては、単純に「裁判員裁判てどんなん?」程度の軽いノリだ

      • 『君が世界のはじまり』の写真が良いので見てくれ

        スチールカメラマンは木村和平さんです。 イメージビジュアル。ええよなぁ。 公式HP:https://kimiseka-movie.jp/ 公式 Twitter : https://twitter.com/kimiseka_movie 公式 Instagram : https://www.instagram.com/kimiseka_movie/

        • 映画『君が世界のはじまり』な人たち①

          今夏公開予定の映画『君が世界のはじまり』。 (コロナどっか行ってくれよな) この映画は高校生6人の群像劇で、 ふくだももこ監督の短編小説2篇(これがまたええのよ)を 脚本家・向井康介氏が一つの脚本(これがまたええのよ)に まとめ上げた作品です。 で、先日、出演者情報が大幅に解禁されました! えん:松本穂香 琴子:中田青渚 純:片山友希 伊尾:金子大地 岡田:甲斐翔真 ナリヒラ:小室ぺい 板橋駿谷 山中崇 正木佐和 森下能幸 億なつき 江口のりこ 古舘寛治 若手俳優6人と

        『君が世界のはじまり』だって言える世界に。

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          15年前の戻らない手ざわり

           初めてのフィリピン。ハタチだった私は自分で撮ったネオパン(35mmフィルム)を1本、感光させてしまったことがある。単純にフィルムを巻かずに蓋を開けてしまった失態。ダメにしてしまったフィルムはこれらの写真の続きだった。たしか、彼女とは対照的に照れ臭そうにして笑顔を向けた彼女の妹の姿だったと思う。  当時、大学の暗室に顔を出しはじめた頃で、モノクロ写真に対しての憧れが尋常じゃなかった。この写真の色味も全然よくないし、現像の知識も先輩の真似事で、ただ海外で写真を撮って暗室で印画紙

          15年前の戻らない手ざわり

          名 作 『 浮 雲 』 再 考

          私のオールタイムベスト10のうちの一本でもある映画『浮雲』。 ダメ男とその男に惚れる女の恋愛物語でありながら、至極のロードムービーである。仕事で観返す必要があり、改めて脚本も読んでみてその面白さに唸ったので、プロットポイントを整理して、書き残したいと思う。 ※昔分析したメモも出てきたので参考に ネタバレありです。名作なので内容わかってても面白いですが念のため。 作品概要『浮雲』 公開:1955年 監督:成瀬巳喜男 原作:林芙美子 脚本:水木洋子 助監督:岡本喜八 音楽:斎

          名 作 『 浮 雲 』 再 考

          停滞する西新宿物語

          西新宿に住んで7年目も後半戦に差し掛かる。 1ヶ月、2ヶ月、地方や海外に行くことはあっても、丸々2ヶ月、家にいたことなんてない。6月以降の撮影は全て延期になってしまったし、今は家で書く仕事しかないので、毎日の散歩とたまに行くスーパーマーケット以外ほどんと家にいる。気が紛れるのは、パソコンかiPadを新宿中央公園に持ち込んでベンチで作業することくらいである。 新宿中央公園は、自粛期間だろうが、けっこう人がいるので、ベンチも争奪戦である。毎日移動して、色んなベンチを使ってみる

          停滞する西新宿物語

          映画『君が世界のはじまり』公開に向けて

          ふくだももこ監督最新作『君が世界のはじまり』が今年の夏に公開します。 主演・松本穂香、監督・ふくだももこ、脚本・向井康介という強力タッグです。ただの青春群像劇ではなくて、「高校生」という人生におけるほんの一瞬の、でもとてつもなく強烈で、痛くて最高の時間をこんなにちゃんと撮った映画ってなかったんじゃないかなぁと思います。 この作品にプロデューサーとして参加しました。今までもプロデューサー部としてAPやコプロとして色んな作品に参加してきましたが、メインPの1人として参加するの

          映画『君が世界のはじまり』公開に向けて

          映画を作る人全員に観て欲しい "アンオーソドックス"@Netflix

          少し前に観たのですが、Netflixオリジナル 「アンオーソドックス」が素晴らしかったので、ご紹介します。(ネタバレは無しです) ニューヨークにある、超正統派ユダヤ人社会で生まれ育った19歳の少女が自由を求めてドイツ・ベルリンへと逃亡する(旅立つのではない)お話です。全4話です。製作はドイツです。 まず設定。 アメリカの超正統派ユダヤ人社会に生きる人々が描かれます。男性は黒い帽子、黒いコート、黒いズボンに身を包み、女性は地毛を見せてはならないのでカツラを被り、スマホを持

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          EFM Co-Production Market Visitors Programme@Berlinare参加レポ

          2月末にVIPOの計らいで参加させてもらった、ベルリン映画祭のVisitors Programme について備忘録的にまとめておきたいと思います。 European Film Market の Co-Production Market のプログラムの一つです。 一聞、わかりづらいので簡単に説明しますと... ベルリン国際映画祭 ↓ ヨーロピアンフィルムマーケット:ベルリン国際映画祭の併設マーケット ↓ コプロダクションマーケット :企画マーケット ↓ ビジター

          EFM Co-Production Market Visitors Programme@Berlinare参加レポ

          Rotterdam Lab@IFFR 参加レポ

          オランダ・ロッテルダム映画祭で毎年開かれるプロデューサー養成ラボ ロッテルダムラボ /Rotterdam Lab に、2020年1月下旬、参加してきました。 31ヵ国から69名の映画プロデューサーが集結しました。 国際共同製作の企画プレゼン、助成金のワークフローから制作中の問題解決まで、ひたすらレクチャーと実践の5日間。20年もの歴史があるプログラムです。 映画学校的なものに通ったことがない私としてはありがたい機会です。 で、具体的に私が参加した内容はこんな感じ。

          Rotterdam Lab@IFFR 参加レポ

          映画を作るということを再考する

          4年以上放置したnoteを書いてみようと思ったのは、コロナの影響で益々先が見えなくなった映画業界について、自分の仕事環境も含め、改めて書き留めておきたいなと思ったから。 ミニシアターエイドとか、映画館を守ろうという動きにはもちろん大賛同だし、なくなっては困る。でも、その映画館でかける映画そのものを作る制作者たちはどう守られるベキなのか。(守られることを前提にせずに変えて行かなきゃいけないことが山ほどあることも承知しているよ、だが) この長きにわたる自粛生活で撮影現場は遠の

          映画を作るということを再考する