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週報20240408-14

この週報はアーティスト井口真理子が、福岡県宗像市大島という離島を舞台に、「一日も無駄にせず、慈しんで生きる」というモットーのもと暮らす、その記録である。
毎週末に、先週号を振り返りつつ、当週号を書き綴る形式のため、配信は1週間ずらしている。
マガジンのサブタイトル「心技体」は、今年の書初であり、その1年における自分との約束である。

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4月第2週、朝型生活を無事継続中。
早起き、ラジオ体操、見守り隊、を毎日クリア。
見守り隊では子どもたちの名前を聞いて、覚えるように努める。挨拶をするとき、名前を添えてあげたくて。私の近しい人で、いつも気持ちの良い挨拶をする方がいる。その方は必ず名前を添えてるんだよなぁ。素敵なことは真似するべし。

今週も実に、目まぐるしかった。(なんとなく、忙しい、という言葉を使いたくないのは私だけだろうか)

個展の準備・制作では、下絵制作、作品の展示構成からの作品サイズ調整/決定、など自分会議。下絵制作と平行し、グラフィックソフトでトリミングの試行。タテヨコの比率が少し変わるだけで、絵の雰囲気も変わるので注意深く。

大型パネル制作には、助っ人として、木工職人の友人を京都から召喚することに。その友人へ電話で諸々相談、打ち合わせ。また木材資材調達の手配、運搬スケジュール管理。ありがたいことに、運搬は大島で日頃お世話になっているMさんに手伝っていただけることに。いつも、周りの方に何かと助けていただいている。人に恵まれているなぁ…….。
日々、感謝を忘れずに。

umibaのアートディレクションをKさんより受託、新たにオープンするストアの間取りやインテリアなど、提案している。とある箇所で、間仕切りに壁ではなく、染め布がよいとひらめき、Kさんも賛同。
母校の先輩で京都在住の、素敵な染織作家Eさんを紹介する運びとなった。
以前からEさんとは何かご一緒できたらなと思っていたので、早くも叶って嬉しい。
大学からのお付き合いだから、もう10年以上経つ。
今後は個人的にものづくりとしてのコラボもしたいなと構想している。

やれやれ、つくりたいものが多すぎるな(笑)
自分があと3人くらい居てくれたらなと思うが、まぁ1人しかいないので、3人分やるか…とせっせとやっている最中。
パートナーKから突然の電話が。
「無理しないでね」と、一言。
ああ、あなたはエスパーですか。
ありがとう、すごく沁みたよ、癒された。

そうなのだ。自分は、一度火がつくと止まらない性分なので、結構知らず知らずのうちに疲弊してしまうことがある。
おかげさまで、やりたいことをやれるように生活できているので、現状ストレスはないのだが、単純に身体が疲れていることは、ある。
最近は早起きができるようにはなったものの、夜早く寝床につくことがなかなか出来ない。
やりたいことと、「今日中にやる」と決めたことをやらないと気が済まないため、つい起きてやってしまう。
早めについても、副交感神経に切り替えができずに寝つきがよくなかったり…….。
この辺は要改善だな。養生に反する。
それに、余白がなくなってしまうのは、よろしくない。
なぜなら、人生には偶発的な出来事やお誘いがつきものだから。スケジュールぎっしりで、余白がないと、いつも断らなければいけない。それはもったいないよなぁ。暇な時間を大切にしたい。
オンオフのリズムをこれからも探っていこう。

しかし、今週は、とても素晴らしい偶発的なアクティビティに参加することができた。
題して、「けもの道ハイキング〜龍宮様へお詣りに〜」である。
日頃親しくしてもらっている、猟師さんが案内くださり、MさんとKさん、私の4人で出発。
以前、猟犬とイノシシを追いかけていると、海上に鎮座されている龍宮さまにたまたま道が繋がったというエピソードを聴いて、一同ぜひ行ってみたいとなったのがきっかけだ。

舗装されている山道とは違い、山の麓の、「えっ?ここから登れるんですか?」という、変哲もない所から猟師さんがずんずんと登っていかれたのには、驚いた。ボルダリング並みの動きを要する傾斜も多く、かなりの運動。樹々の枝の間を這いつくばって潜り抜けたり。体幹が鍛えられる。
人気のない道中で、野生全開、春の芽吹きを幾度も目にして。キラキラとしたエナジーを沢山吸収したのだった。

植物たち、ピカピカ、キラキラ

とはいえ、ここはかつて、薪拾いに人々が足繁く通っていたのだ、と猟師さんは言う。電気もガスもない頃は、薪の奪い合いだったそうな。すごいな、自給自足時代の大島。(今もほぼ自給自足の方もおられるけど)
満ち潮もあり、龍宮さまへはあと一歩届かずだったが、かなり至近距離まで行くことができ、間近で確りとお祈りできたことが嬉しかった。

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話には続きがある。
道中、猟師さんに野菜作りをしてみようと思う、と計画を話してみたら、「農家のTさんを紹介してあげる」と言ってくださり。
すると下山した直後、なんとTさんと遭遇し、早速紹介くださり、快く相談に乗ってくださったのだ。
これは龍宮様の御導きかしら、と。ありがたや……。

当初、初心者だからプランター栽培からしようかな位だったのだが、Tさんが土も見てくださると。
私は、これはチャンスだ….!!と直感。
兼ねてから家の裏地を耕して、土地の浄化と耕作をしてみたいと願っていた。
これはもう、やるしかないな、と即実行。
金曜に思い切って大々的に草刈りをした。
ここでもまた、Mさん・Kさんが手伝ってくださり、一日で草刈りを完了。ありがたや……。
草刈り機にもすっかり慣れたな(笑)。
ヘトヘトながらも、畑実現に胸は躍った。

そして、日曜。
なんと、Tさんがプロ農具どころか重機まで投入してくださり、本格的な土起こしが始まった。
ユンボで土壌を掘り起こし、手強い竹の根を断ち、地中から謎の巨大鉄板が出てきたり、それは壮大な展開だった。

農家さんの華麗なるユンボさばき

紹介者の猟師さんはじめ、農家のTさんには、心底感謝している。
ここでも、人のご縁に助けられているなぁと実感するばかりだ。

シャベルとレーキしか持たない私は、自分なりに、必死でその断たれた竹の根を掘り出し、除去し、その他よくわからないゴミもどんどん除去していった。
(昔ここは不法投棄されていたと見受けられる。ここに越してきたときから、土地が悲しんでいるようでならなかったので、ずっと浄化したかった。)
その後は、農具を振りかざし、振りかざし、石を掘り起こし、仕切りに置いて、など必死にやっていたら夕方に。9時から18時まで、あっという間だった。
身体はヘトヘトだが、全細胞が歓喜している、というような清々しい心地だ。
その後のお風呂が最高に気持ちよかったのは、言うまでもない。
こういうのが、なんてことはない、ささやかで、確かな幸せなのだ。

とはいえ、最近正直、寝不足である。
早起きはできるが、早寝できないから。
そりゃ、そうなるわなぁ〜。
身体が強制終了してしまったら元も子もないので、来週は、睡眠をしっかり取ることが第一だな。
うむ。

今週もようがんばりました、真理子はん、ご苦労さん。また来週もお元氣で◎


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