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春の音で弾くインベンション

わたしのピアノの先生はもちろん素敵な女性で、週一度のレッスンは今の生活の軸になっている。10時からのレッスンだが、7時半にごきげんパパ♡が出勤してから2時間弱ほどおさらいしてから出かけるのが毎週火曜日の過ごし方。前日までにも毎日練習するのだけど、直前に弾かないとすっかり忘れているという残念なお年頃。たぶん個人的な事情と思われる。

そうして満を持して先生のお宅に行くのだが、それはそれは丁寧にみてくださるのでいつまでたってもノクターンの1番とインベンションを教わっている。昨日も音階をさらってからショパン、バッハの順にレッスン。

音階では最後のカデンツという和音のところに苦戦。先生の手は細身のお体に似つかわない大きさで、フォルテのところではこれでもかという大音量が出る。それに比べると私の太い指から出るか細いフォルテが何とも頼りなく聴こえてしまう。来週までに和音のところはペタルをつけて弾いていくことになった。

続くノクターンは9月から教わり続けていて、すっかり自分のものになりつつある。と自分では思っているが先生のところでは毎週発見があちこちにあってそれが楽しい。昨日は最後のページを中心に習ったが

「ここは急にステージに主人公が戻ってくるところだから印象的に。」

とか、

最後のくだりの部分については

「バレリーナがツゥツゥツゥツゥツゥと駆け寄ってくるように」

とか、表情のつけ方を体を目いっぱい使うようにして教えてくださる。

音符の羅列がまるで歌いだしたり踊りだしたりするように見えて曲に命が吹き込まれる。

最後はバッハのインベンション。今は13番を弾いている。これまでレッスンしてもらった1番4番8番は毎日忘れないように必ず弾くようにしていて、今回の13番も特に好きな曲なので弾いても弾いても飽きなくて、時間が経つのをつい忘れてしまう。

昨日は初回で、譜読みをして行ってゆっくり弾いたが

「なんだか冬の音ね、短調でももう少し明るく軽やかに、春の音で弾きましょう。」

ですって。音に色や季節があると聞いたことがあるけれどもまだそれは今の私には相当レベルの高い話。タッチによって険しさ和やかさ、硬さ冷たさ柔らかさや温かさを弾き分けられるようになるのはいったいいつのことやら。

ピアノに消音の装置をつけていて、最近ヘッドホンを買いなおした。それがとても心地よく、生の音には及ばないがそれを装着するとマイピアノルームがにわかに完成する。

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しばらくグランドピアノのあるレンタルスタジオに行く暇がなかったが、ノクターンが仕上がる頃にはそのスタインウエイを弾きに行くのが楽しみ。

こんな寒い雨の日にもピアノは私を退屈させず、慰めてくれる。何と大きな楽しみに出会ったものか。50の手習い、長く続けられますように。

皆様もどうぞ暖かくしてよい1日をお過ごしください。

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