見出し画像

【読書】夢中になってしまう長編小説

主婦である私が近頃洗濯をドラム式洗濯機に、掃除をルンバとブラーバにお任せして何に時間を割いているかというと作家宮本輝さんのファミリーヒストリーである『流転の海』シリーズ9巻を読むことです。一巻が500ページもある大作で、記憶にある限りこんなに長い小説を夢中で読んだことがありません。

幸いだったことは最終巻が刊行されるまでこの本を知らなかったことだと言えます。35年余りかけて執筆されて数年に一度発表されていた時に読んでいたら次が気になって気になって仕方がなかったはず。

昭和22年からの大阪を中心に描かれる一家の波乱万丈の日々がディープ過ぎて作り話ではないところが衝撃的。どんなミステリー小説よりも正直こわいシーンがあるのにページをめくるのを止められません。5月11日に読み始めて3週間で35年分の大河小説の世界にどっぷりつかっています。

生きとし生ける一人一人の人生がストーリーだとずっと思ってきたしこれからもそれは間違ってはいないと思いますが「波乱万丈」という言葉を軽々しく使ってはいけない。どれだけ多くの登場人物が主人公の熊吾一家にかかわっているか、何度人に騙されて地に突き落とされないといけないのか、戦争や生まれ育ちの悲しみ。それぞれのキャラクターが立っていてまるで映像が目に浮かぶようです。

読んでいて楽しかったりほっこりしたり心が軽くなったり、などという効用は一切なくてそれでも人は生きている、いや大勢の人が作中で亡くなっていきますけど、生きていかないといけないんだなあとずしっとくるお話です。

50代になって読書をしていても集中力が続かなくなったと嘆いていたごきげんママ♡でしたが、がぜん自信を取り戻しました。新刊でずらっとそろえて今は7巻目。最後まで読み切ってから記事にするつもりでしたが我慢できずに書いてしまいました。

今から梅田(大阪駅近辺)に行くと言う関西在住の同級生にこの小説の舞台だというと読みたいとのこと。4巻までさっそく送りました。きっと彼女なら好みのはず。中学生の時、図書室で司書の先生のお話を一緒に聞いた日が懐かしくなりました。40年を経て同じ物語を共有できる友人もいて楽しみが倍増します。そうしてもしnoteの皆さんにも興味を持っていただけたらと書いてみました。

何かに夢中になれるっていいですね。家族の寝食に差し支えないようにガンバリマス。

追記:その後読み終わって記事にしました。よろしければ合わせてお読みください。素晴らしい小説です。

今日は現実の世界では令和3年6月2日です。今日も良い一日になりますように。

この記事が参加している募集

noteでよかったこと

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?