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『ライオンのおやつ』豆乳と予防接種と瀬戸内の島

ある朝、子どもの部屋に入るとベッドで子どもがワンワンと泣いていました。なにごとか?と思えば小川糸さんの『ライオンのおやつ』にやられたようです。そんなに号泣するストーリーなのね。上の子は最近読書に目覚めたらしく共通の楽しみができて嬉しい限りです。

下の子にも勧めてみたら課題で多忙な中、一晩で読了したらしい。朝起きてどうだった?と聞くと闘病中の主人公の影響で歩幅まで小さくなったといいます。相当感情移入している。やっぱりこの子は面白いなあ。ちょくちょくごきげんママ♡の記事に目を通しては優しく批判してきます。

『ライオンのおやつ』、実は一年近く前に図書館で予約したのがようやく回ってきたのです。私も娘たちに続いて読みましたがこれは初めての感覚。なんて優しくてなんてじんわりするお話でしょう。中に出てくる食べ物がどれもこれもそそられます。ホスピスが舞台のお話ですからどれも胃にやさしいものばかり。

早速豆乳を買ってきて色々つくってみました。

まずは玄米豆乳粥です。

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冷える季節によく作るこの玄米のお粥はお水の代わりに半分豆乳を入れて塩味をつけたもの。炊飯器に頼ってしまいますが栄養満点。本の中では朝ごはんにいろいろなお粥が出てきます。バナナ粥などフルーツが入っているものもあります。どんなお味なのか想像が難しいけど意外とおいしいのかも。

デザートは豆花。物語の最初のおやつに出てきます。

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台湾に行ったら是非本物を食べてみたいです。

他にも豆乳でクリームシチューやブロッコリーのスープなども作ってみました。ひとパック買うとアレコレ作れます。豆乳は好きなのに家でソイラテを作って成功したことがないのは数ある今後の課題の一つです。

この小説には豆花以外にもさまざまなおやつが登場します。先日の記事でも紹介したカヌレ、ミルクレープ、レーズンサンド、お餅など。一つ一つのおやつにはそれぞれのストーリーがあります。ひとりの患者さんが一つだけリクエストできるのです。

誰かが地球上のどこかで亡くなった人のことを思い出したとき、天から見ているその人には地球が光って見える…という発想はこれまでしたことがなくてとても新鮮。これから先はぜひ実際に本を手に取っていただきたいです。

でも敢えて母は言いたい!若い女性は子宮がんの予防接種のことをきちんと考えてほしいと。今現在ワクチンのある癌は子宮頸癌だけのはず。最終的に受けるかどうか決めるのは本人ですが、防げる病気は防いで命を大切にして欲しいです。日本では一時期無償で中高生に接種を提供していた時期もありましたが副反応のことなどで自治体によって対応がまちまちなようです。我が家では自費で全員受けました。打つ時期も大切なので逃してほしくないです。

雫ちゃんのお話を通して、なによりもそのことが一番気になりました。本を読んで大泣きする瑞々しい感受性は若さの特権なのかしら。

でもいつか、同じ境遇になるときが来るとすればライオンの家のようなところに行きたいと子どもたちと意見が一致しました。今乳がんで闘病中の同級生もいて、グループラインで薬や治療のことを報告してきてくれ、こちらの方がいつも元気をもらっています。彼女の周りにマドンナさんのような優しいスタッフさんがいることを祈っています。生きている人は誰一人永遠の命を手に入れることができないのだから最期はこのような人にそばにいてほしい。瀬戸内の美しい島を思い描いて安らかな気持ちになりました。





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