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障害者の立場から見た日本【リハビリ日記57】

2019年11月に入院、それから1週間も経たないうちに寝たきりになり、手術。

その後、リハビリをして少しずつ回復しつつも、障害者手帳をもらいました。

2020年6月に退院しましたが、いまだリハビリをしながら奮闘しています。

そんな経験をしている私の立場から見た日本について、綴ろうと思います!

入院について詳しいことはコチラ↓

入院中の経験

日本だからこその、入院中の経験について説明します。日本だったから、助けられ、生きられました。

高額療養費制度

MRIなどの検査を受け、手術を受けることになったのですが、普通に手術費を払うとなると、とても高額><

でも、日本には高額医療制度というものがあります。

高額医療制度についてはコチラ

https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf

簡単にいうと、年齢や所得によって支払上限額が決まるというもの。

つまり手術費や入院費をすべて負担せずとも、治療を受けられるのです。(入院時の食費負担や差額ベッド代等は含まれない)

この制度がなかったら、治療も満足に受けられず、生きられなかったと思います。。

ソーシャルワーカー

病院にはソーシャルワーカー(相談員)がいます。
退院が近づいてきたころ、このソーシャルワーカーさんがすべてを整えてくれました。

私は退院後、自活(一人暮らし)をしています。そのために、どんな手続きが必要かなど、一人ではとてもできませんでした。

調べれば良いといったって、体調が悪いから入院しているのであって、普通のときのようにパソコンで調べて問い合わせて、、などはできません。やったとしても、すごく時間がかかるでしょう。

ソーシャルワーカーさんは、まず退院後の診療についてセッティングしてくれました。
通院は大変だろうと、往診のクリニックを探して手配してくれたのです。「待ち時間があるとしても、待合室で待っているより家で待っているほうがラクでしょう?」と。
また、2件問い合わせてみたけど、1件は横柄だった、このクリニックは親切だったと。
往診のクリニックの担当者が病院に訪ねてきて、いろいろと説明をしてくれました。

続いて、役所の担当者と、ケアマネ(相談員)も訪ねてきました。

わからないことがあれば、なんでもケアマネに聞くようにと言われました。正確には私は介護保険でなく障害者手帳なので、ケアマネではなく「相談員」と呼ぶのだそうですが。

介護用品を揃える

介護保険の場合、退院後に使う介護用品をレンタルできるそうですが、障害者手帳の場合、購入することになり、その費用の一部が支給されます。

退院後の私に何が必要かを、入院中の訓練士さんたちが自宅を見て、判断してくれました。

支給されるのは一部だから、無駄な出費が無いようにと。

私が購入したのは、杖(ロフストランドクラッチ)、便座マット、バスボード、シャワーチェア、オーダーメイドの椅子(段差を乗り越える用、後に段差は乗り越えられるようになったので玄関用になる)。

これらの支給を受けるためには申請しなければならず、ソーシャルワーカーさんが書類を揃えてくれました。

そして、退院後は

退院後も、日本の福祉制度のおかげで助けられました。自分だけでは手配できなかったであろうことが次々に起きています。

退院翌日に結集

「退院したら、あなたのためのチームができる」と入院中の訓練士さんに言われていました。

退院翌日、自宅に、相談員、相談員が手配したヘルパーさん、訪問看護師、訪問訓練士が結集。

確か数日内に、往診もありました。

「毎日ヘルパーさん、訪問看護・訪問リハビリの誰かが訪問するようにセッティングした」
と、病院のソーシャルワーカーさんが言っていました。人知れず倒れてるなんてことが起こらないようにと。
「何かあったら助けが呼べるように、いつもスマホを身につけているように」とアドバイスもしてくれました。
入院直後の私は、本当、そのくらい危ない状態でした。(よく乗り越えられた~)

ヘルパーさん

退院翌日から、ヘルパーさんは毎日来てくれています。
「良くなりたい!」という気持ちを理解してくれて、歩けそうな距離は付き添ってくれています。

経験豊かなヘルパーさんのアドバイスで、間違った買い物もしないですみました。(「痺れがあって感覚が薄いなら、暖まるためのヒーターや電気毛布は低温やけどのリスクがある、電源を使わず発熱するもののほうが良い」など)

「そろそろ通所リハビリに行けるのでは?」とのアドバイスがあり、送迎付きの通所リハビリにも通うことになりました。

ヘルパーさんと通所リハビリは、日本の制度では「福祉」の枠。
福祉を受ける費用にも所得によって支払上限額あるため、助けられています。ありがたいです。

通所リハビリ

入院中は左足に装具を付けていました。筋力が落ちて、足首が安定しなかったためです。

退院後に少しずつ足首が安定してきたので、ひそかに少しずつ装具を外して立つ(歩く)練習をしていたところ、通所リハビリの訓練士さんが「装具を付けている足首じゃない」と判断してくれ、外しても良いと言ってくれました。

自己判断で完全に外すことはできなかったので、うれしかったです。

また、介護保険の場合、期間の縛りがなく、通所リハビリ(デイサービス)に通えます。

障害者手帳の場合は通える期間に制限があります。障害者は、いつまでも通い続けるのではなく、自立していくのが基本のようです。

通い始めたころは、通える期間に2年の制限があったようです。
1年半で一旦区切って、「もっと続ければ改善の見込みがある」のであれば、延長であと6カ月。そして卒業になる。

私の場合、2年であれば今年の9月までのはずでした。

ところが制度の変更があったようで、5年?まで延びたと。リハビリ施設の責任者の方いわく「期限があるのはおかしいですよ。通いたいだけ、通えるようにするべき」

2年通えば潮時なのかな~と思っていたけれど、延長できて、もっと回復するまでリハビリを受けられるのはありがたいです。

日本の制度は素晴らしいと思う

恩恵にあずかってきた高額医療制度や福祉の制度に、実は闇があるのかどうかはわかりません。支給のための費用がかかりすぎる問題はあるのかもしれません。

でも少なくとも私は、日本の制度に助けられてきました。日本で生まれて日本で暮らしていたからこそ、生きていられます。入院前から日本は好きでしたけど。

そして、このまま助けられていてラッキー!とも思っていません。

できる範囲で仕事も再開していて、なるべく本当の意味での自活を目指しているし、助けてもらいっぱなしではなく、恩返しもしたいです。

どんな形が恩返しになるのかわからないけれど、とにかく今は回復することに全力投球。毎日、自主練も欠かさないようにしています。

日本の在り方についてさまざまな意見がありますが、少なくともイチ障害者から見た日本はとても親切でありがたいです。
感謝しながら、リハビリがんばるぞー!

ご覧いただき、ありがとうございます!楽しんでいただけたら、スキしてもらえると、テンション上がります♡