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【読書】人間は猿以下の存在になっていないか~『ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」』(山極寿一)~

*この記事は、2019年5月のブログの記事を再構成したものです。


京都大学の元総長で、ゴリラ研究の世界的権威である山極寿一のエッセイ集です。

↑単行本


内容は、タイトルのまんまです。猿よりも類人猿よりも進化したはずの人類が、猿並み、あるいは猿よりも下の存在になっていないか、という問題提起が一貫して繰り返されます。

最初は面白かったものの、次第に飽きてきました。現代社会を批判するのは良いけど、結論として毎度、日本の伝統的社会に立ち返れ、というメッセージに行きつくので。


でも、第2章の教育について語っている部分はなかなか興味深かったです。とはいえ、京都とそこにある京大をいささか理想化しすぎている気もしましたが。


心に残った一節は、以下の通り。

ゴリラのリーダーはメスや子どもたちに置いてきぼりにされれば、あわててその後を追う。いくら威張っていても、群れの仲間がついてきてくれなければリーダーとしての役割を発揮することができないからである。でも日本のリーダーたちは後ろをふり返らない。ゴリラのオスのようにドラミングをして虚勢を張るのはうまいが、みんなが違う方向へ歩きはじめても頑として方針を変えない。みんなの声に耳を傾けているとはとても思えない。

残念ながら、本当にそうですね。 


↑kindle版

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見出し画像には、ゴリラの写真を使わせていただきました。



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