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廃屋を再生する~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.468 2023.12.1)~

「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事、第71弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。


今号の特集は、「廃屋DIY」です。


廃屋DIYに取り組んでいる西村周治さんの話が印象的でした。

このような試みを始めたのも「家を管理できなくなった人がなかなか所有権を手放さず、社会の共通資産になり得る空き家が、未来をつくっていく若者の手に渡らない現状」に疑問を感じたからだ。「日本では、九州の面積を上回るほどの土地が所有者不明のまま埋もれているとも言われています」
地方ではいまだに根強い「郊外に新築を建ててこそ一人前」とする「新築神話」にも、西村さんは異を唱える。
「新築はつくる過程で出る廃材もエネルギーの消費量も膨大で、工場で大量生産したパネルを組み立てる工法では、地元の技術者にお金が支払われることもありません。建物の資産価値も、買った直後に半値になることだってあるんです。にもかかわらず、いまだに大きな屋敷1軒をつぶした敷地に新築を4、5軒建てたりしている。これでは、人口は減る一方なのに、空き家は無限に増えるばかりです」

p.11~12

まず、管理できなくなった人は家を手放すべきですよね。家は自分のものであると同時に、社会のものでもあるのだから。「九州の面積を上回るほどの土地が所有者不明のまま埋もれている」というのには、愕然とします。「大きな屋敷1軒をつぶした敷地に新築を4、5軒建て」るなんていうのも、もうやめにしなければ。


「工事費のざっと6~7割は職人さんの人件費や工務店などの経費。つまり自分で改修すれば3割くらいの価格でできる可能性があります」

p.14

廃屋DIYに同じく取り組むフクイアサトさんの言葉ですが、人件費や経費の占める割合に、唖然としました。もちろん、プロのきちんとした仕事には正当な対価を支払いたいですが。


「いまは断熱や気密性を高める方法もありますけど、古民家は隙間があって風通しがよいから100年もってきた。現代の家みたいに機能的ではないけれど、ある程度ゆるやかなほうが長持ちするんです」

p.15

これもフクイアサトさんの言葉ですが、ちょっと勇気を得ました。我が家は古民家ではなく、ただの古い家で、断熱性や気密性とは無縁ですが、それにも良い面はあるのかもしれません。


今回の特集、VOL.404の特集とも重なります。


浜矩子さんの、「政治家に必要なのは御用聞き精神」という言葉には同感。

御用聞き精神の軸になるのが、親身になるということだ。お客様のご要望を、我が願いとして受け止める。それができなければ、お得意様を持つには値しない。この心意気が必要だ。

p.08


サボテンの持つ可能性にもびっくり。人間の食糧にも家畜の飼料にも、「非常に高価な化粧品(シード・オイル)の原料にもなりますし、ヴィーガンレザー(代用皮革)としても実用化されています。水を多く含むサボテンは、家事になりづらく植林にも向いています」( p.19)。CAM型光合成をするので、地球温暖化対策にも利用できるかもしれないそうです。

なおドラゴンフルーツがサボテンの果実だとは知りませんでした。


今号も、学ぶことが多く、盛りだくさんでした。
「ビッグイシュー日本版」のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。


コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。


もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。


見出し画像は、今号が入っていた封筒のシールです。「小商い」で発送作業をしてくださった坂本さん、いつもありがとうございます!



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