【読書】増える農薬の使用量~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.467 2023.11.15)~
「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事、第70弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。
今号の特集は、「ジェンダーの生物学」です。
進化心理学などを研究する坂口菊恵さんの言葉です。「関心をもたなかったので、目の前で起こっていても記録として残さなかった」というのは、ジェンダーの生物学に限らず、他のことにも当てはまる気がします。また、「数学は得意ではなかったので、文系で入って、理系に転身し」(p.12)たという坂口さんの経歴自体が、境界を超える感じですね。
この2つの言葉も、興味深かったです。
特集以外では、スペシャル・インタビューの奈良美智の言葉が印象に残りました。
奈良さんのいう「小さなコミュニティ」の定義の一部ですが、そういうコミュニティ、良いですね。
まず生まれていないでしょうね。というか、「宮沢先生、宮沢先生」と呼ばれている賢治が、想像つきません。
「池内了の市民科学メガネ」ではガムを噛む効用を取り上げていました。
ガムの効用は記事中のものを取り上げても、消化促進、ストレス緩和、脳活性化、歯茎や顎の骨を丈夫にする、虫歯予防、空腹感緩和など、いろいろです。私はガムを噛む習慣はないのですが、ちょっと試してみようかな。
三重県四日市市の商店街「諏訪新道」の、電話ボックスを小さな図書館「USED BOOK BOX」に変えた話も面白かったです。こういう試みがどんどん広がれば良いのに。
農薬に関する記事には、目を疑いました。
オーガニック農業の試みなんて、吹き飛んでしまう感じですね。前号に出てきたマヤの伝統農法「ミルパ」のやり方とは、対極にあります。
農薬の使用量が減るどころか、むしろ大幅に増えているとは。「ある農薬は畑に1回散布するだけで、周囲1000kmに影響を及ぼす可能性がある」(p.21)そうです。
ヨーロッパで禁止されている製品を、規制が緩いアジア・アフリカ・中南米に輸出して儲けまくっている大手農薬企業、許せません。自国で使えない製品の輸出を禁じるベルギーなどの対応は、当然だと思います。
我々市民が声をあげれば、そして選挙を通じて意思を示せば、世界は変えられるはずなわけです。
「世界短信」の、南アフリカで発見された15万年前と推定されるヒトの足跡の中に、履物をはいていた可能性があるものがある、というニュースも興味深かったです。
今号も、学ぶことが多く、盛りだくさんでした。
「ビッグイシュー日本版」のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。ただし今号については、2023年12月1日に次の号が出るまでは、路上の販売者さんからのみ購入することができます。
コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。
もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。
見出し画像は、今号が入っていた封筒のシールです。「小商い」で発送作業をしてくださったY.Tさん、いつもありがとうございます!
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