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【読書】結局、窮地に立たされるのは~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.472 2024.2.1)~
「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事、第75弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。
今号のスペシャル企画は「マンガで、社会の問題を読む」です。
印象に残ったのが、マンガを研究テーマとするトミヤマユキコさんの言葉。
「日本では、若い才能がマンガに集まりすぎているんです。本来なら日本画や洋画などで活躍できる人が、食べていきやすいマンガに集中。才能が分散したほうが、日本のアート界はおもしろくなるのにと思ったりします」
サヘル・ローズさんへの「スペシャル・インタビュー」も良かったです。
「諸外国は経済制裁を課すことで、イランという国家に圧力をかけているつもりなのだと思いますが、結局、窮地に立たされるのは、そこで暮らしている市民でしかないんです。(中略)人々の窮状は、ほとんどメディアで報道されることはありません」
「沈黙することはおのずと権力に加担していることになるから(中略)。私は自ら現場に足を踏み入れて、忘れ去られている人たちの声を世の中に伝えたいんです」
ここのところ、NHKの「サウジアラビア千夜一夜~サヘル・ローズ メッカへの旅~」に「ワルイコあつまれ」、そしてこの「ビッグイシュー日本版」のインタビューと、立て続けにサヘル・ローズの話を聞いたり読んだりする機会がありました。壮絶な人生を歩んできた彼女が、それだからこそ自分の果たすべき役割を果たそうとしている姿には、心を打たれます。サヘルさんの健康が守られますように。
「ビッグイシューアイ」の仮放免者についての記事も、衝撃的でした。「5人に1人が路上生活を経験」しているとは……。
「本来なら、自分で働いて家賃を払える人たちがほとんど。それなのに支援してもらわなければ生きていけない。困窮も深刻ですが、人としての尊厳が傷つけられて心がズタズタになる」
日本は人手不足なのだから、少なくとも難民認定申請中の人には就労を認めるべきだと思います。
「難民のために行動した人が約7%しかいないということ。29ヵ国中最も少ない数字です。でも、それは日本人が冷たいからではなく、難民や仮放免者のことを知る機会がないからだと思っています。知れば理不尽だと思うはずだし、そう信じたい。今回の住居調査のように仮放免者の実情をデータで伝えて、関心を寄せてくれる人を増やしたい。そうなれば、国も法制度や運用を改善せざるを得なくなるでしょう」
つくろい東京ファンドの大澤優真さんの言葉に共感します。
「森の案内人」の三浦豊さんの言葉には、ちょっと考えさせられました。
「薪ライフが終焉を迎え、縄文の森へと回帰し、冬でも緑の山になってきました。でも現代人は木を伐らない。さあ、どうする? という日本史上初とも言える問いが今、森から人間へと投げかけられているようにも思います」
三浦さんの、木を人に例えているかのような表現も面白かったです。常緑樹については
「がんばって葉を年中付けていたらいいことあるさ、という感じですね。でも、コナラやケヤキ、エノキなどのように、冬は葉を落として休むのもいい。生き方はそれぞれです」
モチツツジについては
「春に花を咲かせますが、秋~冬は場所と個性によって、紅葉して葉を落としたり、冬でも葉をつけていたり。半落葉樹、半常緑樹ともいい、どちらの生き方もできるおもしろい木なんです」
サカキより一回り小さいヒサカキについては
「今、日本で一番生えている木はこのヒサカキ。サカキよりも寒い場所に適応でき、明るい森でも暗い森でも生きていける。地味ながら適応力が抜群な木なんです」
今号も、学ぶことが多かったです。
「ビッグイシュー日本版」のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。
コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。
もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。
見出し画像は、今号が入っていた封筒のシールです。「小商い」で発送作業をしてくださった杉浦さん、いつもありがとうございます!
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