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文系の人にも理系の人にもお勧め~『絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている』(左巻健男)~

「世界史」の本として読み始めたのですが、思った以上に「化学」の本でした。文系人間の私としては、元素記号とかが出てくると「うわー」となってしまいますが、一応投げ出さずに完読出来ました。逆に理系の人も、世界史の話に「うわー」となりつつも、何とか完読できるのではないでしょうか。

↑kindle版


写真を一切使わず、米村知倫さんのゆるめのイラストを使っているのも、とっつきやすさの理由かと思いますが、ところどころ、「これは写真でも(あるいは写真のほうが)良いのでは?」と思うものもありました。


授業のネタになりそうなことがたくさん書かれていましたが、それらは割愛して、印象に残った所を3か所だけ。


彼は七三巻の大著を書いたといわれているが、いまは一冊も残っていない。「人間の魂さえも、(中略)原子の運動を支配する自然の決まりに従っている。(中略))神はいないのだ」と大胆に主張したため、「神をないがしろにしている」と支配層などから攻撃されて、彼の書物は焼かれてしまった。私たちがデモクリトスのことを知ることができるのは、おもに原子論に反対した哲学者たちが、彼の考えを自分の本に書き残していたからだ。

批判した人たちの手によって、逆にデモクリトスの思想が後世に残ったというのが面白いです。


私たちの身体の水の割合は、健康な成人男子で体重の約六〇パーセント、女子で約五五パーセントを占める。男女で水の割合が異なるのは、男子は筋肉組織が多く(水が多い)、女子は脂肪組織が多い(水分が少ない)ためだ。

イメージでは女子のほうが水分量が多そうなのに、逆なんですね。


肉の脂肪にはさまざまな香りの成分がふくまれており、牛、豚、羊などの種ごとに大きく異なる。これがそれぞれの肉に特有の風味を生み出している。

なるほど、脂肪の違いが香りの違いを生み出していたのですか。


思いがけない視点から、世界史を見直すことができました。


↑単行本


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