【読書】これからの展開が気になる~『楽園の烏』(阿部智里)~
「八咫烏シリーズ」の第2部の始まりです。
↑kindle版
どうやら第1部の終わりから約20年後の世界のようですが、第1部の終わりの『弥栄の烏』で私が危惧していた通り、個人的には話の方向性を誤ってしまい、かつ修正の方向も暗中模索している気がします。
雪哉改め雪斎の冷血かつ極悪ぶりはパワーアップしているし、雪斎によって「楽園」にされた山内は不気味なことになっているし、今回初めて登場した「はじめ」は好きになれないキャラクターだし、嫌なことを挙げだせばキリがありません。
とはいえ、やはり阿部智里の成長する力はすごいと思いました。文章力も、話の構成力も、確実に上がっていると言えるでしょう。
そして今巻は読みながら、第1部で語られたこととの矛盾に首をかしげていたのですが、クライマックスでその矛盾について明かされる場面では、おおと思いました。はじめの正体についても、そうきたかと……。
これから雪斎が、はじめが、そして山内自体がどういう道を歩んでいくかが気になるので、続きは間違いなく読むと思います。
しかし今巻ではいっさい金烏が出てこなかったのですが、いったいどうしてしまったのでしょう?
↑単行本
記事の内容が、お役に立てれば幸いです。頂いたサポートは、記事を書くための書籍の購入代や映画のチケット代などの軍資金として、ありがたく使わせていただきます。