見出し画像

可愛い絵の背後にある、かこさとしさんの想い~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.412 2021.8.1)~

「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事第15弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。


今号の特集は、「見えない世界と『ソーシャル・ビュー』」です。


見えない人の「色の理解の仕方にも個性が現れる」という話が、まず興味深かったです。赤は「温かい気持ちになる色というようにカテゴリー名として覚えてい」る人もいれば、「白は機関車が蒸気を出しながら通りすぎる音というように、音で理解している人もいる」そうです。「見えない人」として一般化してしまうことは、大きな間違いだということですね。


また、障害者の身体感覚を研究している伊藤亜紗さんの以下の言葉も印象的でした。

障害はその人の身体の中にあるという昔の考え(個人モデル)は否定され、社会の側にあるとするのが今の考え方(社会モデル)。その人が何かしようと思った時に、社会がそれを許さず、できなくなることこそが障害なんです。

この考えは、以前ご紹介した『生命の教養学VIII [対話]共生』の中にも出てきたなと思い出しました。


あと、表紙になっているかこさとしさんの『だるまちゃんとかみなりちゃん』、可愛いですねー。未読なんですが、「オール電化の未来都市」が登場するとのことなので、かこさんはどのように描いているのだろうと興味を持ちました。私にとっては、「だるまちゃん」シリーズといえば、何といっても『だるまちゃんとてんぐちゃん』なので。


<追記>

後日、『だるまちゃんとかみなりちゃん』を読んでみました。


かこさんのお嬢さんである鈴木万里さんの以下の言葉も印象的でした。

かこはそこ(注:終戦)からは余命と考え、人生の残りの時間を子どもたちのために使おうと考えました。子どもたちが戦争のない平和な時代に生きていけるよう、何かをしたい。誤った判断をせず、自分で物事をしっかりと見て考えて生きていけるよう、手伝うことならできるのではと考えたのです。

可愛い絵の背後にあるかこさんの思いを知ると、違った観点で絵本を読むことが出来そうです。


「ビッグイシュー日本版」のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。

ただし今号は、8月15日に次の号が発売されるまでは、街角の販売者さんからのみ購入することができます。


コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。


もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。


見出し画像は、今号が入っていた封筒に貼られていたシールです。「小商い」で発送作業をしてくださった販売者さんのお名前の部分は、念のためにモザイクをかけさせていただきました。

「ちょっとずつ猛進、日々進歩」とは深いです。かくありたいです。



この記事が参加している募集

推薦図書

読書感想文

記事の内容が、お役に立てれば幸いです。頂いたサポートは、記事を書くための書籍の購入代や映画のチケット代などの軍資金として、ありがたく使わせていただきます。