46. スリークロスの面白さ４｜つくりの違いを楽しむ

2022年5月3日 22:58

マーチング祭®︎

１｜2022スリークロス東北面白い

2022スリークロス東北の結果は、とても興味い。
- Div.2 １位｜SVCG
- 審査員特別賞｜DER GLANZ
共にDiv.2 / カラーガード部門に出場したチームである。
どちらも素晴らしいパフォーマンスを披露した。
ショウづくりのコンセプトが全く異なる両チームが、
それぞれ異なる結果を得た、
非常に興味深い大会だった。
本稿では、どのような違いが観られたか記す。

２｜リキャップ / recap を読む

【全体からみえること】
GE ｜SVCG：１位 / DER GLANZ：２位
PP ｜SVCG：３位 / DER GLANZ：１位
GE 仲本氏｜DER GLANZ４位のスコア。
GE 諸見氏｜同点になっているが、点数配分が異なる。

【Color Guard 諸見氏/中川氏のスコアから考察する】
GE｜諸見氏
- SVCG｜Rep.88 / Pfm.86｜ave. 87（１位）
- DER GLANZ｜Rep.87 / Pfm.87｜ave. 87（２位）
PP｜中川氏
- SVCG｜Cont.87 / Pfm.84｜ave. 85.5（３位）
- DER GLANZ｜Rep.87 / Pfm.86｜ave. 86.5（１位）

両氏のスコアには、相関性がある。
SVCGの GE（諸見氏）のPfm.の低さが、PP（中川氏）のAchv.（達成度/熟練度）の低さと相互関係にあることが見てとれる。
つまり、
① ショウの内容で高い評価を得た SVCG
② パフォーマンスで高い評価を得た DER GLANZ
といえるだろう。

３｜ショウの創り方に観える違い

ショウの創りのコンセプトにも、
はっきりとした違いが観られた。

SVCG「The Voice of Heart」
さまざまな手具や組み合わせをつくり、シーン展開も鮮やかだった。また、ショウテーマ「The Voice of Heart」を表現するための口や目、耳を押さえるモチーフ。クライマックスでの手話による内声表現をビジュアルに示す創り込みの緻密さ。巧みで老練なショウ構成だった。お見事。

DER GLANZ「Follow your heart」
長尺なシーン展開と美しい旋律、椅子と花束、カラーガードとトランペットという、観る側の想像力を掻き立てる演出の選択が生きていた。また、一つ一つのシーンが長尺で、観る側が自分の中でストーリーを構築するのに十分な時間があり、感情移入が自然にできた。美しい旋律と相まって最後の瞬間には感動的な時間が流れていた。パフォーマンス後の拍手の大きさがその効果を示していた。レパートリーの単調さを、パフォーマンスで十二分に補った。

ショウで勝った SVCG
心を掴んだ DER GLANZ
どちらも見応えのあるパフォーマンスだった。

スリークロス Div.2/3のショウは、
僅か10M✖️7.5Mの小さなフロアで行われる。
しかし、フロアの小ささとは相反して、豊かなドラマと観るに飽きない様々な面白さがあることが、本稿をお読み頂く皆様に伝われば嬉しい。

" 簡単なものをより複雑に
複雑なものをより簡単に"
ショウづくりは奥深い。