梅干しの炊き込みご飯
梅干しの賞味期限
冷蔵庫に欠かすことはないが、毎食出番があるわけでもない。わが家の、梅干し。
ポン酢、グレープフルーツ、柚子など酸味やほんのり苦いものを好むのは家族でわたし一人だ。梅干しを料理につかうことも、食卓にならぶ機会も自然と減る。
年が明けて喉をいためた折「番茶に梅干しと生姜のすりおろしたものを入れると良い」と聞いて試したら、たしかに喉には良いが時間が経つと生姜のえぐみが強くなる。空っぽの胃に入れるには刺激がつよすぎたようで、三日と経たずやめてしまった。
そのとき、梅干しの賞味期限が二月末だということに気がついた。ひさしく食べていなかったので気にも留めていなかったのだ。
ほんのり酸っぱい、かといって甘くはない
半年ほど前に買った梅干しははちみつ漬けほど甘くはないが、紫の紫蘇が付いたものほど酸っぱくもない。とはいうものの、梅干し嫌いの家人には酸っぱすぎて酸っぱいもの好きのわたしにはパンチが足りない。
酸味も残しつつ、もうすこし柔らかくしたい。なんかないかな。
梅干しの炊き込みごはん
ふと、”そっち〜さん”のアメブロに載っていたレシピを携帯に保存していたのを思い出した。
👇『梅干しの炊き込みごはん』👇
白だし、塩昆布、大葉すべて家にある。
朝、お米を炊くときに作ってしまおう。そう決めて、二月のはじめに炊いてみた。
お米を浸水させること約40分、大葉以外の材料をすべて片手鍋に入れ、お米+1cmまで水を注いでから火にかける。
炊飯器がこわれてからというもの片手鍋でお米を炊いている。浸水時間が30分だと最近は芯がのこるのが気になっていたので、お米はすこし長めに浸けた。
余談だが大葉も「わたしは好きだけれど家族には受けない」ものの一つだ。
家人には「草を食べてるみたい」と不評で、おなじ理由で水菜も受けが悪い。味噌汁にみょうがを入れるとすこぶる美味しいと思うのもわたしだけで、いまでは時折わたしの分にだけこれでもかと入れて愉しんでいる。
炊くのは耳のしごと
閑話休題。
片手鍋には蓋をせず、弱めの中火にかける。
熱が伝わってお米の表面に大きな泡が出てくるくらいに火が通ると、白だしの香りが台所からリビングに流れてきた。料理酒にも似た、ちょっとつんとした匂いだ。
ここからは耳のしごと。
水が蒸発して鍋底がパチパチいうのを数分間じっと待つ。パツッパツッという破裂音が鳴りだしたら20秒ほど待って弱火にする。ここであまり時間をおくと火が消える。空焚きと感知して勝手に消えてしまうのだ。
ま、消えたら消えたで再度点火して弱火にしたら良いのだけれど。
弱火にしてから蓋をして、5分40秒タイマーをかける。6分だと長いし、5分だと早い。
その間に大葉をせん切りにする。みょうがといい大葉といい、薬味は鼻腔を下から上まで律儀に上ってゆく。時間がきたら火を切って、今度は7分あまりそのままにして蒸らす。
白だしと塩昆布でまろやかに
炊いている途中には鼻をつく匂いだった白だしが、炊き上がりにはほんのり甘い香りに変っていた。
大葉とレシピにはなかった粒ごまをふりかけて、梅干しをくずしながら混ぜる。炊くことで赤みが抜けた梅が、ご飯をところどころピンクに染めていった。果肉がまとまったところと種の部分は、わたしのお茶碗によそう。果肉の少ないところは家族のお茶碗と、子どもにはちいさいおにぎりを支度した。
お昼ごはんに出したら家族は「酸っぱい!」と訴えることなく豚汁といっしょに黙々と食べていた。塩昆布のだしが行きわたって梅干しの酸味もやわらいでいた。
さっぱりしているので肉料理にも、意外と魚料理にも合うのではないかと思う。
のこった分は小分けにして冷凍庫にしまい、わたしの平日のお昼ごはんに。
あぁ、おいしかった。ごちそうさまでした。
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