すき焼き肉の残りでスープカレー
残りものには福がある
贅沢な悩みである。
塩胡椒をしてサッと炒めて、めいめいが醤油や味噌など好きなものを付けて食べてもらえばいっか、と最初は思っていた。ふと、コンロ下の引き出しを開けて思い出す。
「そういえば、カレーのルーが半分残っていたな」
カレー自体、最近作っていない。おかずは昨日の残りがあるし、冷凍ご飯もある。あとはもやしと卵スープを作ろう。よし、カレーだ。
あ、”時間”がない
作り始めて気づいたが、炒める時間や煮る時間はいっさい書いていない。ま、いっか。
「すべての野菜を食べやすい大きさ(玉ねぎは厚めにスライス)に切ったら、水700ccに入れて火にかける」
とレシピにはあるが、焦がし玉ねぎを作りたかったのでフライパンにバターを1かけ溶かし、厚めに切った玉ねぎを炒める。
5分ほど炒めてから6等分に切ったカブも炒め合わせる。15分近く炒めて玉ねぎの両端が黒っぽくなってきたのをたしかめて、牛肉を1枚ずつ広げて入れた。肉が薄いので色がすぐに変わる。
具がレシピよりも少なかったので水を700ccではなく600cc注いだけれど、500ccでもよかったかもしれないと気づいたのはルーを入れる時だった。
今夜はスープカレー
肉を入れてしばらく中火で煮ていると灰汁が表面に集まってきた。すくっては出し、すくっては出し、で灰汁をほぼ取り切ったところで火を弱める。
カブと玉ねぎにしっかり火をとおしたくて弱火で15分強煮たけれど、フライパンにみっちり蓋をしたせいか水分が蒸発しなかったのだろう、蓋を開けたら水分があまり減っていなかった。
蓋を開けたままさらに5分煮たがたいして変わらない。ま、いっか。
今夜はスープカレーにしよう。
子どもが「入れたい」と言うので、甘口のルーを開けて1つずつ溶かしてもらう。火は切っていたが、ルーを入れたらあっという間にちいさくなっていくのがよっぽど楽しかったのだろう。「うおぉぉぉお」とシリコンスプーンの上でルーをくるくる回しながら咆哮していた。楽しそうでなにより。
甘口の甘口
最後、子どもが食べやすいように牛乳かはちみつを入れるかで迷い、結局はちみつをほんのすこし垂らした。ネットで調べたが、ルーを甘くする「生クリーム」も「りんご」も「チョコレート」も家になかったのだ。
はちみつでどのくらい甘さが増したか定かではないが、子どもは「おいしい、おいしい」とカブをおかわりしていた。ちょっと切ない。
あまりにさらさらしているので家人は「これはハッシュドビーフなの?」と訊いてきた。「スープカレーと思って」と答えておいた。
煮込んだのと灰汁をのぞいたせいか牛肉の脂が落ちて、でも噛むと肉の甘みはしっかり残っている。これはこれで美味しい。しめじや舞茸を入れても美味しいだろうなぁ。それこそハッシュドビーフか。
1/2人分くらい余ったので、翌日のお昼ごはんにナンにひたしながら食べた。
あぁ、おいしかった。ご馳走さまでした。
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