継続の工夫

写真を始めた時に、まず誰かと同じことはしたくないと心に決めた。そうなるとつまり、誰も考えたことのない突拍子もないアイディアを考えるか、たくさんの作品を見て知識の蓄積や研究を繰り返し続けなければならないのでは、と思った。しかし、私は要領があまり良くないので、それをしながら自分自身の作品を作ることは無理だな、と。

それをせずにオリジナリティを突き詰めようとした時、自分自身のルーツや今いる環境を撮影することが一番の近道では？と思い当たり、手当たり次第スナップやら記録をする手法を選んだ。そして、写真を撮影することでオリジナリティを追及でき、さらには自分自身を知っていくことも出来る。それは飽きることがないと思った、だって自分自身とは離れたくても死ぬまで一緒だから。

そもそも私にとって、写真を撮影したりプリントしたりすることが第一であって、それを続けられる題材、被写体でなければならない。だから、どこかに出向いたりすることは大変ストレスであるし、飽きてしまわないコンセプトの自己追求はあまりに大きなコンセプトで、要するに何を撮っても良いとしている。そうやって決めていくと結局、自ずと調査研究はするし、突然突拍子もないアイディアが望んでなくても出て来ることがある。それはそれで実験する価値がある。

しかし、戻って来るのはやはり、自分の心の中、生まれ育った環境の景色、いつか見たような懐かしい空気。

なんども同じことを書いているようで、いつも少しずつ変化していく私の心と写真。これからも見ていたい、継続して行きたい。