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食器を集めるように

一人暮らしを始めるとき、実家から持ってきた100円のお椀とお茶碗、モロッコグラス以外の食器がなかった。慌てて近所のスーパーで3枚皿を買い、ああそうだ、と箸やフォーク、スプーンなども一緒に買った。こんなのを買おうとか、こういうテイストで揃えようとか、私なりに色々考えていたはずだけど、いざ新生活が始まるとそんなこと関係なしに今日メシが食べれれば良い、となってしまい、もはやなんの拘りもないコレクションになっている。

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ただ、拘りがないのは事実だけれど、なぜかひとつひとつ私の家に来た思い出がちゃんとある。実家から私と一緒にきたもの、引っ越した初日に買った皿から始まり、誕生日プレゼントに家族からもらったお鍋、行きつけのお店の小さかった女で分け与えられた小鉢、フリマで買ったグラス、高校の友人の結婚式の引き出物、割ってしまったお茶碗に代わるデパートで買ったちょっと高いお茶碗…。

集めるつもりがなくても増えていくのは、思い出と一緒。だから覚えていようと思わなくても忘れないのだろう。

色も形もバラバラだけど、そうして増えて行くのが私らしい。

明日はガラスの小鉢にキンカンを入れて写真を撮りたい。

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