のらりくらり
自分自身が、何かと好もしい、今日この頃。(この、好もしい、という言葉は、田辺聖子さんの小説に出て来てからというもの、気に入ってよく、使っている。)
私は何をやるにも、人より少し劣っている、と思っている。だから、これまでの私なんて、人に求めてばっかりで、自分で間に合わせようとしていなかったのかも。
なんてったって、不器用だから、不器用なまま人に体当たりするのだ。それは、とてつもなく、途方もなく、体力を消耗し、相手側のエネルギーをも、食い尽くす。
私を見兼ねた上司がひとこと、こう言った。
中澤サン、のらりくらりと、すればいいのヨ。
そっか、そうだ、そうなのか。
私の不器用な、それでいて強い信念や、ちっとも曲がらない頑固な魂、飾らない、ほとんど化粧っ気のない、私の顔、そして心。
そのまわりに緩衝材、その名も「のらりくらり」が加わって、あらゆる衝撃が、あまり伝わってこなくなった。そもそも、それって、ホントは、衝撃じゃなかったのかも、と思うほど。
緩衝材「のらりくらり」に包まれて、今日も自由に飛び跳ねる。シリアスになり過ぎない、ちゃんと分かり過ぎない。いつも真剣勝負でなくても良い。
皆サン、のらりくらりと、すればいいのヨ。
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