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音程について① 音程とは? 完全1度、完全8度とは?

音程とは2つの音の間の高さの隔たり

音程」。みなさんも耳にしたことがある言葉だと思います。「そこの音!音程悪いよ!気をつけて!」とか学校の音楽の授業で言われたことはありませんか? なんとなく言わんとするニュアンスは伝わりますが、厳密には音程とは単一の音を指すことは出来ません。この場合は単音での高さを意味するピッチという言葉を使い「2小節目の3拍目のピッチが低いよ!」とか「そこ、音が外れてるよ!」と言うべきですね。

音程とは2音間の高さの隔たりのことを言います。どういうことかというと、2つの音がどのぐらい離れているかというのを、楽典的に分かりやすく明記するために決められた、いわば指標です。例えでいうならば、「家から市役所までは1.2キロメートルです」というのは視覚的で物理的な距離をキロメートルという単位を使って明記しています。また「富士山の標高は3776メートルです」、というのも海抜0メートルから富士山の頂上までの高さの差をメートルという単位で表しています。楽典で音程を記す時は「度」という単位を使います

※英語で音程のことは「Interval」といいます。音楽留学を目指す人は覚えておきましょう。

ちなみに2音が同時に演奏される場合の2音間の高さの隔たりを「和声的音程」、メロディーラインのように1音目と2音目が時間的な差を与えられて演奏された場合の2音間の高さの隔たりのことを「旋律的音程」といったりしますが、日本の音大を受験をしない限りそれほど大事な単語ではないですね。

完全1度と完全8度

2つの音が全く同じ音の場合、それは「完全1度」です。同度ともいいます。日本の民謡をはじめ、アフリカの原始的な音楽などの多くの民族音楽は、複数人で同じメロディーを歌います。このように同度の旋律を複数人で奏でる演奏をユニゾン(=unison)といいます。幼稚園で歌う「どんぐりころころ」や「ぞうさん」などもユニゾンで歌うことが理想とされていますが、違う音程を生み出す要因があまりに多いことから、実際は不可能に近いですね(笑)。大人では再現不可能な摩訶不思議な音程やユニークなハーモニーを生み出します。

しかし、人間は成長すると、一般的に男性は変声期を迎え低い声にかわり、女性は高めの声を維持します。そうすると同度でメロディーを歌おうとしても男声と女声では両パート間に音の隔たりができます。これが完全8度(オクターブ)です。広義にはこれもユニゾンですが、オクターブ・ユニゾンと言われます。ユニゾンには違いありませんが実際に演奏されている2音に隔たりがあり、音程が存在することを理解しておきましょう。何故なら、同じの音でも、高いドなのか、低いドなのかで、音楽の持つストーリーやカラーは大きく変わってしまうからです。

完全1度と完全8度(オクターブ)が、もっとも原始的な音程であり、もっとも安定した音程であるといえます。だから「完全=perfect」という単語が音程の前に表記されるのです。今後完全8度を細分化することで違う音程が生まれていきます。また次回見ていきましょう!

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