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『屋久島ジュウソウ』森絵都 読書感想文

なかなか旅もままならない日々の中、古本屋さんで出会ったこの本。屋久島は訪れたい場所だし、森絵都さんは『カラフル』で出逢ってから大好きな作家さん。しかも220円のショックプライス!迷わず購入しました。

前半は屋久島五人旅の様子が描かれています。空港で集合するところから、屋久島での登山を中心に、旅の後の打ち上げまで。面白かったのは、一行が飲食したものを詳細に記録してあること。山で食べた魚肉ソーセージが、読んでいて一番印象に残りました。もちろん、屋久島ならではのご馳走もたくさん出てきます。食事(おやつも含めて)は、旅を構成する重要なパーツですからね。食べることが大好きな私にはたまらなかったです!

タイトルの「ジュウソウ」は、登山用語の縦走を重装と勘違いしたところから来ているそう。この旅に参加した面々は、ハイキング程度の山歩きを思い浮かべてたのかな。屋久杉やヤクシカなど、屋久島ならではのワードも登場します。写真やイラストも見事で、読んでいて私も旅に出たくなりました。

後半は雑誌の連載がいくつか掲載されてます。主に海外の旅ですね。前後半を通じて好感を持ったのは、必要以上の装飾がない点。旅は非日常ですが、日常の延長線上でもあります。旅の間ずっとドラマチックな出来事の連続じゃ、疲れちゃう。ホテルやレストランが外れだったり、日付を勘違いしたり。そんなハプニングも面白かったです。

200ページ以上ありますが、写真やイラストもあるので、私は一日で読み終えました。笑ったり、ホッコリしたり。とても楽しい時間でした。私も旅に出たくなりましたよ。

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