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1から学べる社会福祉法人会計勉強会のストーリー③ 理事長からの質問「なぜ、社会福祉法人会計を?」

1から学べる社会福祉法人勉強会の資料や書籍は、本質を伝えることを目的にしています。本質を伝えるために資料や文章へのこだわりについてお伝えしていきます。今回は、初めてお会いした理事長との面談でのお話です。



理事長からのご質問

10年ほど前に、社会福祉法人の理事長と初めて面談した時に、このように質問をされました。
「なぜ、社会福祉法人会計専門の事務所を続けることができているのですか」

私との面談の前にも、社会福祉法人会計を専門にしている会計事務所さんともお会いされたと伺いました。

これまでも、他の法人さんとの面談で、「社会福祉法人会計を専門にしているか否か」や、「社会福祉法人会計について何年くらいの経験があるか」などの質問をされることはありました。

しかし、「どのような思いで、社会福祉法人を専門にしているのか」、という問いかけは、その時が初めてでした。

私は、開業同時の印象深い2つの出来事の思い出を理事長にお伝えしました。

開業当時の印象深い出来事①

私が事務所を開業したのは、平成18年でした。
「障害者自立支援法(現在の障害者総合支援法)」が施行された時期です。
規模としては、小さな小さな事業所さんから、障害者自立支援法に基づく制度に移行していく上での会計支援業務のご依頼をいただきました。

施設長さんと制度開始前後のお話や今のお悩みを聞かせてもらっている中で、たまたま、「何故、このお仕事を選んだの?」とお互いに聞き合うことがありました。
自分がどのように答えたかを全く覚えていないのですが、それは、施設長さんからのお答えがあまりにも印象的だったからです。

施設長さんは、「福祉は私の人生の使命ですから」とお話されました。

これまで、仕事でたくさんの方々とお話をしましたが、自分のお仕事を「人生の使命」と聞かせてもらったのは、はじめてでした。
この言葉は私の胸に刺さりました。今でも忘れられない言葉です。

開業当時の印象深い出来事②

①の事業所さんとは別のこちらも小さな事業所さんとご縁をいただきました。
職員さんの数は10人も満たない事業所さんです。
そんな事業所さんに、1人の若いスタッフさんがおられました。
彼は、どちらかというと、じょう舌というよりも、寡黙で控えめなお人柄で、いつも静かに丁寧に仕事をされていました。
会うたびに、はにかんだ笑顔で挨拶をして下さるのが印象的でした。

ある時、別の法人さんに訪問することがありました。この事業所さんの隣の市にある法人さんです。
その法人さんでは、数日前に大きな催しを開催されていました。
施設長さんから「催しの写真ができたんです。ぜひ見てください。」と写真を見せてもらいました。
アルバムをペラペラとめくっていくと、知っているお顔に「アレっ⁉」と声が出てしまいました。
催しのスタッフの中に、先ほどの彼が写っています。
私は、つい「〇〇さん?」と聞きました。

施設長さんからは「そうなんです。〇〇さん、手伝いに来てくれているんです。松岡さんも、〇〇さんご存知?」と聞かせてもらいました。
福祉の事業所で毎日お仕事をしながら、休みの日に、別の法人さんの催しのお手伝いへと行かれていたのです。
私は、ますます彼に惹かれました。
開業当時に、私が『社会福祉法人会計専門』として続けていくことについて、背中を押してくれる2つの出来事でした。

会計ができること

どちらの事業所さんも、会計的には必ずしも順調で、全く不安がないという訳ではありません。
そして、会計を整えたら、運営が上手くいくと言い切れるものでもありません。
しかし会計の情報が、少しでも福祉を運営されている方々へのヒントになればと思っています。


ご参考

1から学べる社会福祉法人会計勉強会のエッセンスを、
ふわふわ会計 note版」として会計に興味のある全ての方向けに記載しています。

勉強会の内容を書籍にしています。
第1巻〜第9巻 出版中

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