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【趣味コン②】 だって男が優しくてつまらないから

崖っぷちの私と、ブラックホールのなかにいるMちゃんが、藁をもすがる思いで申し込んだ宇宙ミュージアムでの趣味コン。

集合時間は11:00。朝からぐっと冷え込んだ日だったが、Mちゃんはちゃんとひざ上丈のスカートをはき(ただし厚いタイツも)、しっかりメイクをして現れた。こういうところは本当見習いたい。

参加人数は18名。
男3:女3の6名のグループを3つつくり、ミュージアムを巡りながらメンバーチェンジしていく。同性のメンバーは固定したまま男女の組合わせを替えるので、異性とは全員話すことになるシステムだ。

到着したとき、集合場所であるミュージアム入口になんとなく溜まっている面々を見て、100%そうだとは思っていたけれど、やっぱりそうだった。

「若けぇ・・・」

募集要項には年齢制限27〜39歳とあり、実際に集まっていた人たちはみな、アラサーの初々しさを醸し出していた。実年齢はどうでもいい、佇まいで自分とは違う人生のステージにいることがわかった。

進行役が「男性は積極的に女性に話しかけてください」とアドバイスしていたので、最初は大人しくしていた。
しかし、男性陣は全体的におずおずと無口で、自己紹介も「趣味は映画です」などとありきたりなうえに、ふくらまない。
「あぁ、この人たち、性格はいいけど内気でつまらないタイプだ・・・」
早々に悟り、隣にいるMちゃんからも落胆のオーラが出ていた。

こういうとき、白けた気分のまま過ごすのは時間がもったいない。『置かれた場所で咲きなさい』なんて本が昔ヒットしていたけれど、私とMちゃんは以心伝心で「自力で楽しもう」と諦め、、

道化となった


心の優しい人たち。私たちの冗談に、嫌な顔ひとつせずに笑ってくれる。恋愛感情なんて1ミリも生まれなかったけれど、場の空気も和み、お互いに悪い印象を持ち帰ることは避けられたと思う。

場の空気を支配しちゃうあたり、モテない女のお手本のような振る舞いだったけど、別にいいんじゃないかな。

だって対象外だから。


<つづく>
※このnoteに書いていることはすべて実話です



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