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腸のことを良く知ると、腸内細菌のことを愛おしく思う。
こんにちは!
管理栄養士の板西まいこです!
今回は「腸」のお話。
「腸活」ってよく耳にするけど、結局なんのこと?という方も多いのでは
あれでしょ、酵素ドリンクとか、
乳酸菌や発酵食品を摂ることでしょ。
おそらくそんな感じです。
実は私もよく分かってない。
でもほとんどの酵素ドリンクに酵素は入っていないし、
乳酸菌の錠剤を飲んでいればいいってわけでもない。
腸活には大前提の心得があると思っておりまして。
それは、「腸内細菌のことを思って(思いやって)食べる」ということ
腸内細菌のことを、独立した生命体として捉え(実際そう)、共存してるということが分かればこの感覚を持てるはず!!
腸には食べ物を消化しながら栄養素を吸収する「小腸」と、
水やナトリウムを吸収して便を作り、排泄へと導く「大腸」がありますが
今回は主に「小腸」についてのお話です。
まずは、知っておきたい「腸」のこと
腸は最も長い臓器で、成人で6~7m程度です。
なんと、ビル2階分くらい。
わたしも初めてラットを解剖したとき、消化器官の長さに驚きました。
ここからは少し生物の復習にもなりますが…
腸管内部には多くのひだがあり、そのひだの上は約500万ともいわれる「絨毛」に覆われています。
その構造は、絨毯をイメージしてみて下さい。
絨毛のさらに詳細↓
吸収上皮は栄養吸収を専門とする細胞で、その表面に「微絨毛」を持ちます。
消化された食べ物が分解されてできた栄養素は、ここで素早く吸収されます。
栄養吸収細胞は1~3日ほどで生まれ変われるほど、非常に速いスピードで新陳代謝を行っています。(生命維持に常に利用され、大切さがよく分かる)
さて、腸の内壁にある「ひだ」の表面にある「絨毛」の表面にある「微絨毛」って、どこまでフサフサさせるんや…という感じですが、
これは消化物と接触する面積を広くとり、水分や栄養の消化吸収を効率よく行うためです。
そのため、小腸の表面積はテニスコート1面分ほどあります。
生物の、優れた機能性を備えた無駄のないデザインって本当にすごいですよね。
(デザイナーはだれか、という話もまた、面白いです)
そして、そこで生きているのが腸内細菌
人の腸内には、腸内細菌が約100兆個いると言われています。
全身に存在する細菌は1000兆個で、
私たちの細胞数は60兆個です。
(37兆個という説もあり)
私たちは細菌の存在なしには生きていけないのです!
腸内細菌の働きは、おもに口から入った食物を分解して栄養を吸収し、不要なものは排泄するという働きをしています。
1.免疫の80%は腸に存在
全身の80%のリンパ球が腸に集まっていると言われています。
腸内細菌が壁になってくれたり(バリア機能)、細菌の分解酵素などによっても異物の侵入を防いでくれています。
2.ビタミンを作り、ミネラルを吸収
腸内細菌の働きによってビタミンを作り出し、ミネラルを吸収しやすくしてくれます。
ビタミンB2,B6,B12,K、ビオチン、パントテン酸、葉酸など
体内で作り出せない種類が、必須〇〇と言われているものです。
3.酵素を分泌
酵素を分泌し、消化や吸収を助けてくれます。
4.ホルモンをつくる
幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンやセロトニンを増やす働きがあります。
抗ストレス作用があり、穏やかで幸せな気持ちをもたらしたり、セロトニンは睡眠との関係も深いですね。
つまり、腸内環境は身体にも、心にも影響大です!!
腸内細菌叢(菌のバランス)
腸内細菌のバランスは一般的に
善玉菌3:悪玉菌1:日和見菌6で、バランスが保たれています。
日和見菌はどちらでもない(どちらにもなれる)菌たちです。
これが、善玉菌が減って悪玉菌が優位になると、日和見菌は悪玉菌の味方になり、悪さをします。
身体の中でも小さな社会が成り立っていますね笑
つまり、この腸内細菌のバランスをとることが健康や免疫を維持するうえでとても重要です。
腸内環境良くするには
1.口腔内環境を良くする
いい腸はお口から。歯科衛生士さんも言っていました。
実際、口腔内の影響を受けているよう。虫歯や金属場、接着剤、義歯など、できるだけ異物を入れないようにしましょう。
また、しっかりよく噛んで唾液を出すことで、口のなかで十分に消化酵素が働き、胃や腸の負担を減らします。
2.ビタミン、ミネラル、酵素を積極的に取り入れる
しっかりと生の野菜や果物も摂りましょう。
消化に必要な栄養素を出来るだけ一緒に食べることで、消化にかかる腸の負担も減ります。
また、腸内で作り出す酵素を消化→代謝に回せることで、新陳代謝が活性化され、傷が治りやすくなったり、お肌が綺麗になったり…✨
水分補給も忘れずに!
3.楽しく、リラックスして食事をする
リラックスして食事をすることで、唾液や胃酸。膵液の分泌を促します。
胃酸や膵液はタンパク質や脂質の分解には不可欠で、しっかり分泌させることで胃の時点で消化が進み、腸の負担が減ります。
つまり、胃酸を抑制する薬をむやみに使用しないことも重要です!
※降圧剤や抗生物質、痛み止めなどにも胃酸を抑える働きがあります。
腸を思いやる意義は、腸にとどまらない
いかに消化能力を上げて腸の負担を減らし、元気でいてもらうか
を考え、
腸が元気になると栄養の吸収率も免疫力も高まり、不要なものをちゃんと排泄することが出来ます。
そして、それは、有害なものを解毒する肝臓の負担を減らし、有害物質を血液中に入れないことで、腎臓への負担も減ります。
この身体全体の良いサイクルが、最終目標です!!
「腸内細菌のことを考えて食事をする」
この意味を理解してもらえましたか?
精神論のような始まり方をして、内容がなかなかの解剖生理学でした。
それでは!
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