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ただ10年後だけを見ていればいい

職場にちょっと困った人といわれる人がいる。
エクセルが大の苦手で表や集計の業務はできない。先日単純作業である物品の棚卸をお願いしたところ、棚卸の精度は低く(有か無を見るだけだが見落としがあった)、記録するエクセルのコピペを誤って数百行分の内容を全然別のものに上書きしてしまった。
気づく前に保存したので、もう元に戻せず(バックアップは前日までしかなかった)、仕方ないのでその数百行は前日の状態に私が戻し、棚卸は私が最初から行った。

今の部署ではちょっと困った人なんだけど、コミュニケーション能力は高いし、数学の知識を使った計算は私がきょとんとしている間にやってのける。以前は契約関係を行う部署にいたそうで、契約文書のチェックはなんなくやってくれる。

本人が特に気にしている様子は無いので私がとやかく言う話では全くないのだが、仕事に向き不向きは十分にあると思っている。
仕事ができる人は、その仕事に向いてるからよくできるんじゃないかと思ったりもする。(もちろん好きかどうかやその上で努力や勉強が必要だとも思う)

元ホストで実業家のローランドさんがコンビニでバイトをしていた時、タバコの銘柄が覚えられずに店長から一番使えないバイトの烙印を押されたという話をしていた。コンビニ店員が上手くできなくても、ホストとして成功していてその後実業家になっている。

私は入社してもうすぐ10年で、近いうちに退職予定。それは、ただ単純にこの会社が私には合わなかったから、結局はそれが理由だと思っている。
傍から見たら給料は高いし福利厚生も整っている。日本のホワイト企業トップ100なんかに入るような優良企業だ。
社員もみな優秀で、真面目に仕事をするし、人間関係のしょうもないいざこざは(私の周りは)少ない。組織をよりよくするために日々改善を重ねている。

それでも、この先もこの会社でずっと働いていくイメージが持てない。
仕事をしていて問題解決した後の達成感や、お客様からありがとうと言われた時の喜び、チームで何かを成し遂げた時の感動は経験できたのだけど、この先も今の会社で頑張る気にはどうしてもなれなかった。

もうすぐ会社を辞めて、今まで有休を全部つなげても取れなかったような長い休みを取ることになる。
そこで、じぶんは何が好きで、どんなことをこの先やっていきたいのか、何が向いているのかを時間をかけて色々トライしながら考えたい。

長い間会社員だったので、きっとすぐにこれだ!というものには出会えないだろう。収入が安定するまでは年単位の時間がかかるかもしれない。
それでもいいと思っている。そのためにこれまで働いて、しばらくは大丈夫だといえるくらいの貯金をしたのだ。

以前ラジオで、10年前の坂上忍さんから、誰がお昼の情報番組を帯で毎日やる坂上さんを想像しただろうか、という話をしていた人がいた。
10年経てば、10年前は誰も想像できなかったことが全然起こりえる。

しばらくは暗中模索の期間が続くだろうが、10年後だけを見て信じて進むつもり。平坦ではない道のりでも、一歩ずつ進んで10年後にいい景色を見ていることを想像して。





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