見出し画像

柳の座

心做しか今朝の空はいつもより暗い。起床するのが酷く憂鬱であった。

壬生寺へ行った。本堂が若々しいくらいに綺麗で面食らった。新撰組で知られる壬生塚を見る。祀られた隊士の中で、知った名前は少なかった。

重要無形文化財でもある〈壬生狂言〉は是非観たいと思った。舞台形式の文化にはあまり馴染みがない。展示されていた面にも歴史を感じた。

出町柳の古本屋で3冊の本を買った。厚めの先客が居座る鞄へ、あまつさえ恰幅の良い3名の追加。とても歩き回る気にならない。

20:25上映の映画を18:30から待つ。1杯のグラスに注がれたデュワーズでは心許ない。ちびちびと水面を齧りながら『ホラーの哲学』を読む。〈出町座〉にて。

〈カテゴリーの境界線上に立つ存在への根源的忌避〉というのが面白い。大学時代の宗教関連の授業、一神教的世界観を学んでいた際に同じようなことを学ん、いや、聞いた。それを〈ホラー〉という〈感情〉に重ねる展開は面白い。また読み進めたら触れるかも。

昨年11月に発足し、翌12月より動き出した〈月1映画絶対観る会(会員2名)〉の第2回として今泉力哉監督の『窓辺にて』を鑑賞。

文学のための文学による作品であった。村上春樹原作『ドライブ・マイ・カー』にも似ているな、と感じた。作家性が強く出ている映画はどこか好きだ。解釈が生まれる作品が好きだ。

〈ぬるい〉と言えば語弊があるかな、〈心地よい〉では無いし。これといった表現が思い浮かばない。ぬめりを纏ったオブラート?とでも言おうか。掴みどころ、或いは感情の起伏、感性への刺激が少ない映画は苦手なのかもしれない。語弊の塊だがショウガナイ。

差し込む光が絵画的、場面場面も絵画的、穂志もえかさんは綺麗。『マチネの終わりに』の方が好き。

この記事が参加している募集

今日やったこと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?