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【ALE】人工流れ星が私たちの未来を照らす~科学と社会をつなぐ世界初の宇宙エンターテインメント~【前編】

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遠距離恋愛の恋人同士を人工流れ星がつなぐ物語、エモすぎる……!

でも天然の流れ星はいつどこで見えるのかはっきりしないうえに、実際に輝いて見えるのは1秒足らず。「消えるまでに願い事を3回唱えると叶う」という伝説もありますが、そんなの到底できなそう…。

「それならいっそ流れ星を自分たちで作ってしまおう」という型破りな挑戦をしているのが、今回お話を聞いた株式会社ALE代表の岡島礼奈さんです。ALEの開発する人工流れ星とは、いったいどのようなものなのでしょうか?

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株式会社ALE 代表取締役社長/CEO 岡島礼奈
鳥取県出身。東京大学大学院理学系研究科天文学専攻にて博士号(理学)を取得。卒業後、ゴールドマン・サックス証券へ入社。2009年から人工流れ星の研究をスタートさせ、2011年9月に株式会社ALEを設立。現在、代表取締役社長/ CEO。「科学を社会につなぎ 宇宙を文化圏にする」を会社のMissionに掲げる。宇宙エンターテインメント事業と中層大気データ活用を通じ、科学と人類の持続的発展への貢献を目指す。

■人工流れ星はどこから来たのか?

井上 岡島さんが「人工流れ星」というアイデアを着想したきっかけは何だったのでしょうか?

岡島 しし座流星群を見たとき人工衛星が思い浮かんで、「私、これ作れるかも!」と思ったんです。2001年のことです。その頃は大学で天文学を研究していたのですが、「基礎科学は役に立たない」と言われることに疑問を感じていました。
そこで、もしも民間企業がエンターテインメントとして人工の流れ星を実現させることができれば、科学を発展させられるなと考えたわけです。

井上 研究者の方が予算の確保に苦労されるという話は、残念ながらよく聞きますよね。相対性理論や量子物理学がなければ、PCやスマホ、GPSもなかったかもしれないのに……。
ビジネスとして科学に取り組むのは確かに面白い方法ではありますが、起業することにハードルは感じませんでしたか?

岡島 実は学生時代にも起業した経験があって、ビジネスに心理的なハードルを感じることはほとんどなかったように思います。
将来は人工流れ星を実現させるぞ」と決めて、お金の流れを勉強できる金融会社に勤めたり、外国語を使ったビジネスを経験するために新興国向けにサービスを提供する会社を立ち上げたりする傍ら、流れ星の研究を進めました。

井上 まだ世界で誰も実現していないことなので、研究や開発自体にも課題が多くあったのではないかと思います。周りの方の反応はいかがでしたか?

岡島 当時は宇宙スタートアップというと、「夢がありますね」と冷たいリアクションをされることも……(苦笑)。ALEは2011年に登記して、隙間時間で用意を進めていました。
そして2014年、流れ星のもととなる粒が3等星くらいの明るさに光ることがわかったんです!「これは事業にできるぞ!」と思い、このタイミングで資金調達をしてメンバーの採用を始めました。

■世界初の宇宙エンターテインメント実現に向けて

井上 2020年に人工流れ星を実現することを目指して打ち上げた衛星の2号機は、惜しくも動作不良で流れ星を放出できなかったと聞いています。

岡島 流れ星の粒を送電する装置の動作不良が原因でした。不具合が起きないようにもちろん私たちも対策をしていたのですが、それを超えてしまったようです。叩いたら直りそうな気もしていますが(笑)、一度送り出したらそんなことができないのが宇宙空間特有の難しさ。
2023年に打ち上げる予定の3号機では成功できるように対策をバッチリしています!

井上 2023年は元ZOZOの前澤さんが予約している月周回旅行が実施される予定ですし、宇宙がグッと身近になる1年になりますね!
人工流れ星はイベントやお祭り、観光地で使うのも素敵ですし、結婚式もいいなあ……。使う場面を想像し始めると止まらなくなってしまいます。
3号機は何回程度流れ星を流せるのでしょうか?

岡島 3号機に流れ星のもととなる粒を何粒載せるかはまだ決まっていませんが、仮に1000粒搭載すると考えると、1回のイベントで10粒使うならイベント100回分になりますね。
粒の数量に合わせて、「大盛り流れ星コース」「中盛り流れ星コース」なんてプランを作ってもいいかもしれません(笑)。

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井上 ちなみに、流れ星は好きな時間を指定して流せたりするんですか?

岡島 流れ星を狙った場所に流すことは今の技術で実現可能です。時間の厳密な指定はまだ難しいのですが、衛星は軌道上を周回しているので、宇宙空間にある衛星が一定数に増えるまでは、“流れ星の時刻表”から選んでもらうようなイメージです。

井上 なるほど、時刻表って乗り物みたいでおもしろいですね!

■取材後記
“人工流れ星”というとSFチックに聞こえますが、科学技術を応用して実現させるわけで、2023年に初めて見られたときには天然の流れ星とは違った感動と驚きがありそうです。後編では、岡島さん率いるALEが掲げているミッション「科学を社会につなぎ 宇宙を文化圏にする」とはいったいどういうことなのかをお伝えします!

漫画=河野玲奈(Twitter / オモコロ
取材・文=井上榛香(Twitter
編集=中嶋駿(Facebook

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