車椅子で役者をやるもの。(seen4 期待しない)
新しい職場。そこは前職とは全く異なる福祉業界。そこで事業推進部というポジションを用意してくれた。仕事内容は法人広報、事業開拓などの営業のような内容だった。その為、沢山の職種の方々と知り合い交流を持つようになった。その際、話題になるのは昔何をやってたかの話し。直近の仕事は元より、障害を持つ前の話しにもなる。決して嫌な訳ではない。ただの昔話。今の自分には関係のない世界の話し。仕事にも十分満足している。
ただ。
ただ、やはり昔話を話してる自分が凄く楽しくて。その頃の話しを聞いてもらえるのが嬉しくて。出来ないくせに、やれないくせに自慢げに話してしまう、出来ないくせに。
そんな僕の話しを聞いてくれた何人の人から「だったら◯◯さん紹介しようか」などの話しが舞い込むようになった。嬉しかった。もしかしたら芝居はやれないけど関わる事は出来るかもしれない。転職してから自分の考えで動ける時間も取れるようになった。もしかしたら。もしかしたらが頭をよぎる。でもいつも僕はこう答えた。
「機会があればお願いします」
そう。会いたいの一言。その一言が言えなかった。会いたいのにまだ蓋をする自分がいた。会ってどうなるのだろう。会ったからってどうなるのだろう。もしかしたらの世界がそこまで来てくれてるのに。会社という組織から飛び出して新しい世界を求めた。それは福祉の世界だった。だからこの話しは棚からぼた餅なのだ。あわよくばなのだ。でも知り合って何も出来ないかもしれない自分を知るのが怖かった。思い知る事になるのが怖かった。
1%の夢。
最後の勇気がまだこの頃には出なかった。ただの昔話野郎だった。
車椅子の役者、演出家として活動していく事で観る側だけでなく演る側のバリアも崩していきたい。活動にご支援の程宜しくお願い致します‼️