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車椅子で役者をやるもの。(seen3 動く)

復職してからは会社でのポジションが変わった。腫物のような対応。しかし、もうあまり会社に未練もなかったし休職中で自分を見つめ直す時間を取れたので逆に清々しかった。人と比べて「上へ上へ」の気持ちもなかった。無理も以前よりしなくなった。しかし気づけば1年後。また管理職候補の話になりストレスと向き合う事に。恐らく会社にいる限りこの繰り返しになるのだろう。そして自分を騙し騙し会社にしがみついてまた自分を抑えて生きていくのだろう。そう考える毎日の中で、やっと一つの答えが出た。

「そうだ。自分で事業をしよう」

復職してから5年目にNPO法人を作る事を決意。会社に勤めながら有給を使い動いた。そして全ての書類、人の段取りが整い県へ提出。受理された。ところが土壇場で融資先から融資額の減額を伝えられ頭真っ白に。しかし、この自分1人で色々動いたことで沢山の方と関わる事が出来ていた。一旦、白紙になりかけていた退職が法人立上げにお世話になったあるNPO法人代表から「ウチで働かないか?」との打診を受けた。真摯に動けば誰かが、きっと見ていてくれてる。自分で立上げるには至らなかったが自分のペースで仕事をさせてくれるところに出会えた。すぐに快諾し会社には退職の意を伝えた。

「これからだ。俺。」

13年勤めた会社。色々あったがこの会社に勤めてなければきっと自分の強さ弱さに気づかなかったのは間違いない。違う会社だったらまだ続けていたかもしれない。車椅子になった自分を強くしてくれたのは間違いなくこの会社だった。だから退職日には笑顔で退職出来た。

「さて、これからだ。俺。」

43歳の春。

車椅子の役者、演出家として活動していく事で観る側だけでなく演る側のバリアも崩していきたい。活動にご支援の程宜しくお願い致します‼️