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【第23回】 "童話"のマンダラ宇宙
今回は、よい子のみんなも一緒にマンダラ宇宙で遊んでもらえるよう、"童話・童謡"をとりあげてみたいと思います。
お約束:コトバの宇宙の法則
と、その前に、いつものお約束、このマンダラ宇宙の法則を、みなさんと一緒に確認しておきましょう。
[ 法則① ]
マンダラ宇宙のコトバは「意味 = 対象 = 事物」を"一体"として表現する。
[ 法則② ]
マンダラ宇宙のコトバは「字音 ∈ 単語 ∈ 文」の構造をもって表現される。
1. 題材を選ぶ
"童話"といえば、日本人なら即座に思い浮かぶのは、"太郎シリーズ"ですね。「浦島太郎」「桃太郎」「金太郎」に、そして「河野..」これは違うか。
この"太郎シリーズ"から、今回は「桃太郎」を選んでみました。
「桃太郎」と言っても、歴史は古く、地域や時代によっていろいろとアレンジされたバージョンがあるので、今回は、日本人なら誰でも歌える"童謡・唱歌「桃太郎」"をメインにやってみましょう。
こちらが、文部省認定の唱歌「桃太郎」の歌詞です。
唱歌「桃太郎」
♪ 桃太郎さん、桃太郎さん、お腰につけた黍団子、一つわたしに下さいな。
♪ やりましょう、やりましょう、これから鬼の征伐に、ついて行くならやりましょう。
♪ 行きましょう、行きましょう、貴方について何処までも、家来になって行きましょう。
♪ そりや進め、そりや進め、一度に攻めて攻めやぶり、つぶしてしまへ、鬼が島。
♪ おもしろい、おもしろい、のこらず鬼を攻めふせて、分捕物をえんやらや。
♪ 万万歳、万万歳、お伴の犬や猿雉子は、勇んで車をえんやらや。
1911年(明治44年)の『尋常小学唱歌』
作詞者不明、作曲・岡野貞一
さあ、みんなも一緒に、元気よく歌ってみましょう!
かつて良い子だったお父さんたちには、こっちの方が歌いやすいかな。
また、童話「桃太郎」に関する情報ソースはこちらです。
2. "文"を"単語"と"字音"に分けてみる
では、いつものように、以下のコトバの法則に従って、この"文"(節)を"単語"と"字音"に分けて、さらに、"単語"を「動詞」と「名詞」(名詞句)の2つに分類してみましょう。
コトバの宇宙の法則②: コトバがもつ構造
「字音 ∈ 単語 ∈ 文」
唱歌「桃太郎」
動詞: 一つわたしに下さい, お腰(こし)につけた, やりましょう, ついて行くなら, 行きましょう, 貴方(あなた)について, 家来(けらい)になって, 行きましょう, そりや進め, 攻めて, 攻めやぶり, のこらず, つぶしてしまへ, 攻めふせて, えんやらや, 勇(いさ)んで
名詞: 桃太郎さん, 黍団子(きびだんご), 鬼の征伐(せいばつ), 鬼が島(おにがしま), 何処(どこ)までも, おもしろい, 万万歳(ばんばんざい), お伴(とも)の犬(いぬ)や猿(さる)雉子(きじ), 鬼, 分捕物(ぶんどりもの), 車(くるま)
"字音"については、みんな元気よく歌ってくれたのでOKです!
こんな歌を毎日口ずさんでたら、そりゃ元気な子供になりそうです。
3. "文"に示される"行為"の関係を明らかにする
![](https://assets.st-note.com/img/1695182987140-JMWaUsez8B.png?width=1200)
> コトバの宇宙で遊ぶための道具
では、今回も上図の配置に合わせて「行為のマンダラ」(Action MANDALA)をつくってみましょう。
「だれが」「なにを」「する」「だれと」「どこで」「どうなる」
今回は簡単ですね。
「行為のマンダラ」(Action MANDALA)のお手本みたいな内容ですので、早速それぞれの要素を入れてみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1695023725202-y82DMDbKHO.png)
「いつ」
桃太郎がこの鬼退治をした年代を調べてみましたが、残念ながら見つかりませんでした。そりゃ、おとぎ話だからね。
ただ、このお話しの原型(口承文学)が室町時代末期あたりにあったこと(Wikpedia)、そして、桃太郎が鬼を退治するくらいの戦闘能力の高い"刀"を使っていることから、以下のサイトの情報を参考に、平安時代中期以降(日本刀の出現)ではないかと、推測してみます。もちろん、諸説あります。おとぎ話しだから。
これらの情報と空想をもとに、「いつ」の要素は、「平安時代中期から室町時代」としましょう。
「どうやって」
では、どうやって桃太郎がこの勝ち目のなさそうな鬼ヶ島での戦いを勝利したのかを考えてみましょう。
桃太郎が得意の刀を使ったとか、その刀が神話に出てくるような特殊能力を持っていたとか、家来のイヌ・サル・キジに戦わせた、とかいろいろと想像が膨らみますが、どれも根拠になりそうな情報が今ひとつです。
このアウェイの鬼ヶ島で、人間1人+動物3匹が強靭な鬼たちにまともに立ち向かっては、到底勝ち目のないことは、当初から桃太郎もわかっていたはずです。わかってなかったら、ただ死にに行くようなもの。いなかのおじいちゃん、おばあちゃん、はやく桃太郎をとめてあげて!
そこで、きっと桃太郎は何らかの秘策を立てたに違いありません。
そのヒントとなるのが、この一節です。
♪ そりや進め、そりや進め、一度に攻めて攻めやぶり、つぶしてしまへ、鬼が島。
持久戦に持ち込まれては到底かなわないので、先手必勝、一気に攻めて(奇襲攻撃)、鬼ヶ島全土を潰してしまう。という戦略を立てたにちがいありません。私にはそうとしか読めません。
サルが、美鬼のきぐるみでも着て鬼ヶ島に侵入して、鬼の大将を人質に取った、とか、
キジが、毒入りのきびだんごを上空から鬼ヶ島全土にばらまいた、とか、
イヌが、仲間の野良犬や猛犬、狂犬たちをあつめて、鬼たちを食いまくった、とか。
戦争ドキュメントの見すぎでした。
空想は止まりませんので、とりあえず、「どうやって」の要素は、「桃太郎の先手必勝の奇襲作戦によって」としておきましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1695026527136-mcHETS6Zug.png)
「なぜ」
それでは、最後に残った要素「なぜ」(行為の起点)を考えてみたいと思います。
なぜ、桃太郎は犬・猿・雉(キジ)を引き連れて、命がけで鬼ヶ島に鬼退治に行ったのでしょうか。
そうですね。
「鬼」と言われるくらいだから、桃太郎はじめ村人からは嫌われ、憎まれていた存在であったことは間違いなさそうです。
私の周りでは実際に"鬼"を見た人は知りませんが、人間でも"鬼の形相(ぎょうそう)"は、みるからに怖いですよね。それがホンマモンとなれば村人たちもさぞかし怖かったことでしょう。
また、その事実?として、こちらの動画の中では、ひどい飢饉で村人の食料がないにも関わらず、夜な夜な鬼が出てきて、わずかな食べ物もみんな持ち去ってしまったと描かれています。
これって、本当に"鬼"の仕業かな? 時代劇でよく見る"悪代官"のことじゃないの。
それはさておき。
これらの情報から判断して、「なぜ」(行為の起点)は、「村人たちは鬼たちを憎んでいたから」としましょう。
お疲れ様でした。
これで「行為のマンダラ」(Action MANDALA)が完成です!
![](https://assets.st-note.com/img/1695028515184-iK7Ao7WmFS.png)
4. あなたが鬼ヶ島の"鬼"だったらどうする?
「行為のマンダラ」(Action MANDALA)で、一躍"村の英雄"となった桃太郎の活躍ぶりが浮き彫りになりました。
さあ、ここからが今回の記事の本題です。
では、このお話しや童謡で登場する鬼ヶ島の"鬼"って、いったいどんな生き物なんでしょう? そして、かれらは鬼ヶ島でどんな暮らしをおくっていたのでしょう? なぜ、鬼たちは桃太郎によってみな征伐され、財産をすべて没収されてしまったのでしょう?
今回は、そんなことを想像しながら、
このとき、あなたが鬼ヶ島の"鬼"のひとりだったらどうするか
以下の「行為のマンダラ」(Action MANDALA)を、鬼ヶ島の"鬼"の気持ちになって作ってみてください。
![](https://assets.st-note.com/img/1695030760125-qRYJXUKfwJ.png)
"鬼"の気持ちになんてなれない!という方はこちらの動画を参考に、"陪審員"になったつもりでも結構です。
AIよ、このマンダラを読み取ってみろ!
では最後に、いつものように、この「行為のマンダラ」(Action MANDALA)をAI(ChatGPT)に読み取らせてみましょう。
今回は、おとぎ話し風のお話しをChatGPTに書いてもらいました。
昔々、平安時代中期から室町時代にかけて、鬼ヶ島と呼ばれる恐ろしい島が日本の海に浮かんでいました。この島は、その名の通り、鬼たちが住む恐ろしい場所で、村人たちは鬼たちを憎んでいました。鬼たちは村を襲い、財宝を奪い、平和を奪っていました。
ある日、村に住む勇敢な若者、桃太郎が現れました。彼は大きな桃から生まれたという伝説の子供で、成長すると非凡な力を持つと言われていました。桃太郎は村人たちの希望であり、鬼ヶ島を征伐する使命を負っていました。
桃太郎は家来になったイヌ・サル・キジと一緒に、鬼ヶ島に向かいました。彼らは桃太郎の先手必勝の奇襲作戦を計画しました。彼らは夜の闇に紛れて島に忍び込み、鬼たちの眠っている間に襲撃することを決めました。
作戦は夜中に実行されました。イヌは敵の嗅覚を利用して敵の位置を特定し、サルは木々の間を素早く移動し、キジは空から攻撃を仕掛けました。桃太郎は大きな鬼の首領に立ち向かい、勇気を持って彼と戦いました。
長い戦いの後、桃太郎と彼の仲間たちは鬼を残らず征伐し、鬼の宝物や分捕物を持ち帰りました。村人たちは喜びに包まれ、鬼ヶ島の恐怖が終わったことを祝いました。
桃太郎と彼の家来たちは英雄として讃えられ、平和が村に戻りました。彼らの勇敢さと連携が、鬼たちを退治する奇跡を成し遂げたのです。このおとぎ話は、勇気と協力の大切さを伝え、平和を取り戻す力を称えるものとして、後世に語り継がれました。
今回の題材はいかがでしたか?
一つのお話し(コトバ)でも、立場(視点)が違うと、"善"と"悪"などの価値観がガラッと変わってしまうというマンダラ・ワークの題材でした。
このコトバの価値観を生み出している原理は、マンダラ基本パターン"5点セット"の一つである「次元のマンダラ」(Dimension MANDALA)で紹介していますので、こちらも参考にしてください。
ぜひ、みなさんもいろいろな童話や童謡をつかって、遊んでみてください。
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