気おくれしそうになった君に
試験
……
型の審査を受ける。こじんまりとした道場。辺りに人の気配はなく、自分の他に受験生が一人、講師が一人いる。
その受験生が先に試演する。
真剣を危なげなく操り、滑らかな稜線を描き、振る舞っていて、見ていると眠りに誘われて、身体ごと引き込まれてしまう……
自分の番となるが、何も練習してないどころか、真剣を持ったことすらなく、剣の怖さと実力差に臆して辞退することにする。
「うん、いいんだけど……もう審査の先生も用意して頂いてるしね……これが1点。もっと早くに言うことだ