明日、この街を出る(駄文)


東京生まれ東京育ちの人は純真無垢な人が多い。
だから環境次第でいくらでも酷い人になるし、聖人君子にもなる。
田舎から出てきた人間は良くも悪くも早い時期に必ずプライドをへし折られる。
その後どうなるかはまた環境次第だ。

上京して3年目に三鷹市に引っ越した。
東京でできた友達がみんないたからという理由だ。そこからまた武蔵野市に引っ越して、トータル10年。

そんなに長い時間じゃない、帯広では18年過ごしたんだから。

次は柴又、帝釈天の側で暮らす。

住みたい街ナンバーワンと言われてた吉祥寺、あんなランキングは街の形を変えたいゼネコンの思惑でしかないけど、その思惑通りに変わっていった街。

この街に生まれて育った人にはもっと強く感じられる変化をこの10年で感じた。

この街で出会った人のほとんど全てが私が死ぬまで心に残す人達だと思う。

吉祥寺に行けば今泉がいる、と思ってくれてる人達、そういう人達がいるのは純粋に嬉しい。

でも、父さんが言ってた、北海道の人間は開拓者だから、新しい土地に行っても自分の居場所を自分で作るんだと。
キザったいそんな酔っ払いの言葉が私は愛おしくて好きだ。だから新しい街へ行くことにワクワクする。

会いたい人に会う、会いたい人と過ごす、そんな場所があるというのはとても素敵だ。そしてそんな人々と過ごすとこの時間が一生続けばいいのにと思ってしまう。

ただ、生活が停滞することはあまり良いことじゃない。優しくて愛おしくて絶対的な場所に留まり続けるのはどうしても淀みを産んでしまう。
だから動くきっかけがある時、私は動ける人間でありたい。

田舎者からしたら東京のどこに居場所を作ろうがそれは東京でしかなくて、物語りのスタートが吉祥寺だろうが柴又だろうが大きく変わらないのだ。

甘え切ってしまう前に環境を変える。
いつでも新鮮な空気を吸えるように、そして今よりももっと面白い世界に行けるように。
大切なものや人や時間を大切と思っていられるように、自分の視野を広げていきたい。
そのとっかかりを見逃さないようにしたい。

一番好きな空間はライブハウスだし、そこに居続けるためにもその外で自分が出来ることを増やして行きたいな。

明日、この吉祥寺を出ていく。
魔女の宅急便のキキみたいでワクワクする。

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