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ポケモン25周年おめでとうございます!ポケモンは進化しない:ポケモン、変化だぜ!

全国ポケモン図鑑には、フシギダネの進化形がフシギソウ、フシギソウの進化形がフシギバナとの記載がある。生物学的に言うとこれは誤り。インタビューで「来年はさらに進化した姿をお見せします」と言うアスリートがいる。それは無理。(吉野賢一)

ポケモン:ポケットモンスターの略。1996年、ゲームボーイのソフトに登場した架空の生物。前述したフシギダネに加え、ピカチュー、ヒトカゲ、ゼニガメなど、当時のポケモンは151種だった。ただただ全151種のポケモンの名前を読み上げる「ポケモン言えるかな?」という歌があり、子どもたちが呪文のように歌っていた。2021年の今では898種になっているらしい。歌うのは大変だろうな~。

ポケモンの進化:ポケモンは個体のレベルを上げたり、あるアイテムを使ったりすると別の姿になり、名前(種)が変わる。これを進化と呼んでいる。進化の一例を下記する。( )内はメガシンカ。
・フシギダネ ⇒ フシギソウ ⇒ フシギバナ(⇒ メガフシギバナ)
・ピチュー ⇒ ピカチュウ ⇒ ライチュウ
・ヒトカゲ ⇒ リザード ⇒ リザードン(⇒ メガリザードン X / Y)
・ゼニガメ ⇒ カメール ⇒ カメックス(⇒ メガカメックス)

進化とは(生物学):生物が世代を経ながら体の構造や機能が変わること。一個体が卵 ⇒ 幼虫 ⇒ 蛹 ⇒ 成虫と変わることなどは変化(変態、成長)。

ポケモンの誤り:ポケモンが(架空の)生物である以上、生物学用語を正しく使用すべきだと思う。だから「フシギダネの変化形がフシギソウ」であり、主人公のサトシ君は「ポケモン、進化だぜ!」ではなく「ポケモン、変化だぜ!」と叫んで欲しい。本当の決め台詞は「ゲットだぜ!」ですが。

アスリートの無理:抱負などを「進化」を使って語るアスリートがいる。
その抱負を生物学的に正しく理解すると、以下のようになる。
・来年は進化した姿を見せる ⇒ 来年は子どもを見せる
・さらに進化したい ⇒ いっぱい子や孫をつくりたい
・進化のために努力を続ける ⇒ 生殖行動を頑張る
もちろん「進化=生殖(子作り)」ではないが、世代を経ながら変わることが進化なので、一個体が進化のためにできることは生殖(子作り)しかない。人類の進化にとって、小さ~な影響しかないでしょうけど。
また、アスリートが血のにじむような努力で肉体改造をしても、その努力の結果(獲得形質)は絶対に遺伝することはない。したがって、その種の進化にも影響しない。「進化」を口にするアスリートは、自らの努力を否定したいのだろうか・・・。

ちなみに①:Wikipediaのポケットモンスター(架空の生物)の解説には「ただしポケモンの進化は、同一個体の変化であるため生物学上の進化の定義にはあてはまらず、生物学的には変態に相当する現象である」としっかり書いてあった。さすがWikipediaである。

ちなみに②:Wikipediaのアスリートの解説には、進化について触れていなかった。そりゃそうだ、当然だと思う。

私のポケモン歴:小学生の甥(今は35才)がやっていたゲームボーイ「赤・緑」シリーズを借りたのがスタート。全ポケモンのレベルをMaxにして返却したから、甥がむちゃくちゃビックリしていたナ~。
最後はわが子のニンテンドーDS「ブラック・ホワイト」だった。図鑑を完成させたくて旧作ソフトを色々購入、結局子どもたちよりも一番熱心だったのが私。あの頃は「ポケモンに一番詳しい大学教員」を目指していたナ~。

さいごに:あくまでも生物学的な視点から解説させていただきました。ポケモンやアスリートの方々にイチャモンをつけるつもりは毛頭ございません。悪しからず。


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