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YouTube動画解説:マナビ研究室

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マナビ研究室が公開しているYouTube動画の解説記事を集めています。動画の補足説明や、訂正などをしています。影機材・設備・編集・音楽などの情報も記録しています。
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骨はどうやってできるの?:骨代謝の生理:#00052

 前回の私の記事で「骨粗しょう症」について話をしましたが、今回は「骨はどうやって作られるの?」という話です。(船原まどか)  肌のターンオーバー。人の肌は表皮の一番奥にある基底層から新しい皮膚細胞が生成され、上へと押し上げられて肌の表面に出てきます。それが古くなると垢として剥がれ落ちて、どんどん新しい細胞と入れ替わっていきます。ということを私は中学生の頃に化粧品のCMで学びました。CMってすごい。でも骨の代謝については化粧品のCMは教えてくれませんでした。  骨の場合、古

簡単に解説!歯科と循環器疾患~心臓弁編~【動画解説】#00039

動画解説 今回は特に歯科で気を付けたい循環器疾患とその理由でした。 動画を後で見返して、いまいちまとまりきってないな…と思ったので、補足させてください。 補足・訂正 【心臓弁膜症】  何らかの理由で心臓弁に障害が起きる疾患。(障害:狭窄や閉鎖不全)→障害のある心臓弁に細菌が感染すると感染性心内膜炎 ・酸素と二酸化炭素を運搬している赤血球がうまく流れていかない:息切れ、チアノーゼなど ・一つの弁の動きが悪くなると、その手前の部屋に負担がかかる→胸痛、息切れ →心臓に負担がかか

歯の話②~ヒトの唇が赤いワケ~【動画解説】#00032

動画解説哺乳類は唇をもっています。唇は、哺乳から始まる摂食や飲水に不可欠で、その「個体」が生存するために必須の構造物です。ヒトの場合、唇は発話や表情形成などにも使用されています。ヒトの唇は「種」として社会生活を円滑に営むコミュニケーションアイテムとしても重要な役割を担っています。 ヒトの唇は赤くて分厚くなっています。毛細血管が豊富な内皮がめくれた赤い唇は、出血しやすく「個体」の生存としては不利な一面があります。しかし、進化の過程で「種」の維持、つまり生殖行動を促す刺激として

歯の話①~目の付け所が違う~【動画解説】#00031

動画解説 「歯の話」をシリーズでお届けします。歯医者さんや歯科衛生士さんも知らない生物学的な視点からの「歯の話」です。第一弾は「目」や「顔」についてです(歯ではなく)。 目の付け所が違う:哺乳動物の場合、「目の付け所」でその動物の食性を類推することができます(歯だったらなおさら)。そしてヒトの「目の付け所」は、むかしむかしの生活様式が関係していると考えられます。 補足・訂正 動物園に行ったとき、「ウマとライオンは目の付け所がちがうでしょ。それはね・・・」とお子様にお話でき

生殖~ヒトの配偶子~【動画解説】#00030

動画解説減数分裂:両性生殖を行う生物は、生殖細胞の減数分裂により配偶子を形成します。そして減数分裂は生殖細胞でしか起こりません。 配偶子形成:精子と卵の形成過程において、体細胞分裂と減数分裂を行う時期が大きく異なります。また、1つの精母細胞から4つの精子ができるのに対し、1つの卵母細胞からは1つの卵子かできません(3つは極体)。 受精・着床・妊娠:ヒトの場合、これらはすべて女性器内で起こります。卵巣から排卵された卵子は、卵管采から子宮に入ります。受精の場は卵管膨大部で、着

生殖~染色体と体細胞分裂~【動画解説】#00029

動画解説有性生殖では配偶子が形成される際に、減数分裂が起ります。この生殖細胞でみられる減数分裂を理解するため、先ずはの染色体と体細胞分裂について解説しました。 体細胞分裂は、体細胞が数を増やすときに見られる分裂です。間期のS期の体細胞は、遺伝情報(DNA)を正確に複製して2倍にします。そして分裂期(M期)に、複製されたDNAを正確に分配します(有糸分裂)。結果として、もとの細胞と全く同じ遺伝情報をもつ細胞を2個作ることができます。 補足・訂正染色体は、正確に分配を行うため

免疫組織化学③【動画解説】#00028

動画解説免疫組織化学シリーズ第3回目は、「モノクローナル抗体」ってなんだ?というお話し。 前回はポリクローナル抗体について説明しました(#00027)。 今回はモノクローナル抗体について掘り下げてます🐭 ポリクローナル抗体と比べて、モノクローナル抗体は作るのが難しく、 時間、手間、高度な技術が必要です。 動画の中では説明しきれなかった、 「ハイブリドーマ(融合細胞)の作りかた」 「特異性の高い抗体のスクリーニング方法」 については👇で説明します! 補足・訂正 【融合細

免疫組織化学②【動画解説】#00027

動画解説免疫組織化学シリーズ第2回目は、「ポリクローナル抗体」ってなんだ?というお話し。 免疫組織化学とは、抗原抗体反応を応用した方法です(#00026見てね)。 免疫組織化学で使用する抗体には「ポリクローナル抗体」と「モノクローナル抗体」の2種類があるのですが、 この2つの違いは何なのでしょうか? 今回はポリクローナル抗体について掘り下げて説明してみました! ポリクロとモノクロの違いについては、国家試験レベルではあまり問われないですが、 実際に研究をしていると、ポリク

免疫組織化学①【動画解説】#00026

動画解説今回から免疫組織化学シリーズを3回に渡ってお送りします。 第一回目の今回は、「免疫組織化学」ってなんだ?というお話し。 以前のyoutube動画で抗原抗体反応についてお話ししましたが、 この反応を利用しているのが免疫組織化学です。 体の中には色々なタンパク質が存在しています(というか、体がタンパク質でできてます)。 数多くのタンパク質の中から、目的のタンパク質を染めて可視化する技術が「免疫組織化学」。 研究の現場ではタンパク質の機能を調べるためにこの反応が使われ

オーラルフレイル・歯科治療効果を判定する咀嚼能力検査法:九歯大生理学実習(咀嚼)

動画説明 歯の機能は「食べ物を咀嚼すること」です。虫歯や歯周病により歯を喪失したり、噛み合わせが悪いと、食物を噛みにくくなります。このような状態は「咀嚼能力が低下した」といいます。  歯医者の仕事には、虫歯の治療、入れ歯、歯科矯正…など色々ありますが、どの治療も最終的な目標は咀嚼能力の回復です。なので、治療の前後で咀嚼能力を客観的に評価することはとても大切なことなのです。  そこで、今回の動画では、咀嚼能力を評価する代表的な方法として ①篩分法(しぶんほう) ②グミゼリーを

ドライマウスの診断に使える唾液分泌能検査:九歯大生理学実習(唾液)

動画説明 唾液分泌に関しては、近年よく歯科医師国家試験に出題されています。超高齢社会となった日本では高齢者医療に取り組むべく、加齢と共に機能障害を引き起こす病態に関しての出題が増えつつあります。結果的に、「歯科」の枠が拡張され、「歯」以外の口腔機能である唾液や嚥下などが最近の出題のヤマとなっています。  生理学実習では唾液分泌能の検査を取り上げました。動画を見ていただくとわかると思いますが、自宅でもできるような検査法です。イグノーベル賞を受賞した渡部茂教授(明海大学)が、3

誰でもできる心電図の測定法:九歯大生理学実習(心電図)

動画説明 心臓は、心筋細胞がギャップ結合により電気的に連絡した合胞体であり、あたかも一つの細胞のように振る舞います。引き起こされる心臓内での電気活動は電場の動きとして体に装着した電極から電位差を記録することができます。心電図は、手足首に付けた肢電極から前額断(冠状断)面での心臓活動、胸部に付けた水平断面での心臓活動を記録することができます。簡便に、身体を傷つけることなく心臓の動きを解析できるという利点があります。  歯学部で心電図の実習を行うことに意味があるのか?と思われる

誰でもできる血圧計の使い方:九歯大生理学実習(血圧)

動画解説 九州歯科大学歯学科2年生は、生理学実習で血圧測定について学びます。動画では、水銀レス血圧計を使った触診法と聴診法が解説されています。 カフ(マンシェット)の巻き方① 肘関節を伸展させ、測定部位(カフを巻く位置)が心臓(乳頭が目安)と同じ高さになるようにする。 ② 空気を完全に抜いたカフの中央(チューブがある部位)が、上腕動脈(肘関節から4~5cm上の内側で拍動を感じる部位)にかかるように巻く。 ③ カフの下縁が肘関節の2~3cm上になっていること、またカフと上腕の

大学法人化を検証する⑥/一括編集【動画解説】#00020

動画解説 北九州市立大学でMBAを取得した九州歯科大学歯科放射線学分野の森本教授による自作パワーポイント動画です。初めに、小野と吉野が挨拶をしています。森本教授より原稿を頂いたので、下にご紹介させていただきます。動画と合わせてお読みになることをお勧めします。 ーーーーーーーーーーー 国公立大学の運営資金の変化と日本の高等教育や研究の現状 (森本泰宏)  研究の背景は大学教員の研究時間が大いに減少していることを感じるからです。その結果、日本の教育レベルは低下すると思います