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「褒めて伸ばす」で、子どもは本当に伸びるのか?

早いもので、長い夏休みも折り返し。立秋も過ぎたとはいえ、まだまだ厳しい暑さが続いていますね。
自分が子どもの頃と比べると、10℃近く気温が上がった昨今。
あの時「地球温暖化がくる」って言われていたのは、こういうことだったのかと改めて実感させられます。

年々夏が暑くなり、野外での活動においては、熱中症など危険性も増えています。連日、高校野球もやっていますが、野外での活動やスポーツなどにおいては、子どもたちの「限界値」の判断が難しくなってきましたと感じています。

自分自身、ずっと体育会系だったので、暑さで倒れても頭から水をかけられ練習を続けたり、ふらふらになって倒れるまで試合をしたりすることもよくありました。今の時代にそれをやってしまったら、危険だということは百も承知です。
暑さに限ったことではありませんが「子どもたちをどこまで頑張らせるのか?」という「限界値」について、頭を悩ますことが多いです。

叱って伸ばす派?それとも、褒めて伸ばす派?

叱って伸ばす派か、褒めて伸ばす派か論、は今に始まったことではありませんが、最近はもっぱら後者が優先のようです。

「子どもたちのいいところを見つけて褒めましょう、伸ばしましょう。」もちろんその通りです。しかし、その一方で、それが、子どもの可能性の芽を摘んでしまっているということもあり得ると思います。

子どもは、できることを好み、できないことを嫌がります。大人が声掛けをしなければ「できない」「やりたくない」「苦手・嫌い」なことは自分からはやりません。

そんな、子どもたちに対して「無理しなくていいよ。やりたくないなら、やらなくていいよ。好きなこと、得意なことだけやって伸ばそうね。」そう接してしまえば、挑戦することや、できないことに立ち向かって乗り越えることを学ばないまま、成長してしまう可能性があります。

子どもの「限界値」の先を見せることが、自信や達成感につながる

叱咤激励され、無理強いされたり、追い詰められたり、厳しくされたりしたとしても、自分の力だけでは頑張れないところに引き上げられる経験は、時に必要です。

「自分でもこんなことができるんだ!」「頑張れば、できるようになるんだ!」
そういった自信や達成感に繋がるし、その経験やその時の快感が、さらに「もっと頑張りたい」「辛いことでも自分で乗り越えたい」へつながります。

子どもの「やりたくない!」の壁をどうやって乗り越える?

体験型学習、特に自然の中での体験では、子どもたちは多くの壁にぶつかります。
海に連れて行けば「水が嫌だ、波が怖い」という子はいるし、山に行けば「山登りが辛い、もう登りたくない」という子がいます。

でも、「一緒に泳ごう!」「一緒に登ろう」と大人が横で実際にやってみせること、一緒に伴走したり、時に楽しんで見せたりすることが、子どもたちが1つ壁を乗り越えることにつながります。子どもたちは、涙を流すこともあるし、抵抗することもあります。

しかし、粘り強く横で励ましながら、
「その先にある景色を一緒に見よう」「できる喜びを感じよう」
私は、そう願って、子どもたちに付き添い、見守っています。

チャレンジすることを楽しめる人になってほしい

「できないこと、苦手なこと、たくさんあって当たり前。そんなこと恥ずかしいことでも、ダメなことでもない。」
「むしろ、すぐにやってできることなんて、面白くない。難しいからこそ、それを乗り越える楽しさがある。やってやろうじゃないか。」
そんな言葉を子どもたちから聞きたい、そう思っています。

チャレンジすること、まだ見ぬ壁を乗り越えることにワクワクすること、そんな風に、できないことを楽しめるようになってほしいと願っています。

体験・経験の先にある「つけたい力」を見据えた教育を!

子どもの時の、経験、体験には、自己形成や人間関係が深く関わってきます。
成功体験であれ、失敗体験であれ、実際に体験したことは、子どもたちの中に印象付くし、その後の選択にも大きくかかわります。

子どもたちに、どんな経験、体験をさせたいのか。
また、その経験体験を通して、何を学び、どんな力をつけていってほしいのか。
そして、その先に、どのような人になって、どのように生きていって欲しいのか。
それを、考えながら、子どもたちに体験、経験をさせるのが、教育です。

普段よりも子どもと接する時間も長くなる夏休み。
子どもの「できない、やりたくない」にとことん付き添って、一緒にやり遂げるといったチャンスもあるはず。

ぜひ、目の前の子どもの姿に、どんな接し方や声かけがいいのか、
その先に、どのような子どものなりたい姿があるのかを、考えてみてください


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