ナポレオンとニシンの話〈小さな儲けを少しづつ〉
ナポレオンがヨーロッパを征服したときに、各国の協力者に褒美をなんでも与えようといいました。
フランス人は「広いワイン畑と工場が欲しい」、
イタリア人は「広い小麦畑とパスタ工場が欲しい」、
ドイツ人は「広い麦畑とビール工場が欲しい」
とお願いしました。
それに対しユダヤ人は「ニシンが二匹欲しい」とお願いしてすぐにその願いは叶えられ、その日はユダヤ人だけがニシンを持って帰りほかの人たちは後日ということになりました。
その帰り道、ユダヤ人以外の人達はユダヤ人に向かって
「なぜなんでも褒美をくれると言っているのにお前はそんな小さなことしか頼まないんだ。ユダヤ人はあほだな。」
とあざ笑いました。
それから間もなくして、ナポレオンは戦争に負け没落してしまいました。
フランス人、イタリア人、ドイツ人の願いは叶えられず、結果として願いがかなったのはユダヤ人だけでした。
参考「ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集 石角完爾著」
これはユダヤ教に伝わるお話です。
このお話は権力者に協力した人がその対価として何を求めるのかという状況で最も小さく確実な利益を求めたユダヤ人だけが得をしたというお話です。
ユダヤ教の人々は「着実に手に入る確実な日々の糧が一番大切」という考えを持っており、時の権力者からの褒美であっても大きな利益は求めず、確実に手に入れることのできる小さな利益をとります。
そしてその確実な小さな利益を積み重ねることで大きな利益を得るのです。
欲張らず、確実な利益を得る。そしてそれを積み重ねることの大切さ。
そんなことを教えてくれるお話でした。
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