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人と森が心地よく育ち、共存する社会を目指す:一場哲宏さん 【Color Full カラ・フル ~私が描く未来の色々~ #1】

日本の森林で木造のスタジアムをつくる事を目指すフットボールクラブがある。今回お話を伺う、一場哲宏さんが代表を務める「伊勢原FCフォレスト」だ。一場さんは神奈川県伊勢原の街で、約140人の子どもにサッカーを教えながら、「木造スタジアム構想」を進めている。木造のスタジアムを中心に、木材を使った公民館、シェアハウス、カフェがある、誰もが安心して暮らせる”木質のまち”。そんな伊勢原の街の未来を描く一場さんの思いに迫る。

伊勢原FCフォレスト代表 一場哲宏さん

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〈経歴〉
1973年3月29日生まれ、千葉市出身。日本体育大学に進学後、ドイツのケルン体育大学にて交換留学生として4年間サッカーの指導法を学ぶ。ケルンの街クラブで5・6才カテゴリーの監督を務めた。以降、イギリス・ロンドンの日本人向け幼稚園や湘南ベルマーレなど国内外で指導。2013年から6年間FCしらゆりシーガルス監督を経て2019年には一般社団法人伊勢原FCフォレストを設立。同チーム代表理事。 指導者B級ライセンス、キッズリーダーインストラクター、幼稚園教諭一種、保育士、JAKC認定キッズコーチングトレーナーの資格を持つ。

ーー「木造スタジアム構想」を思いついたきっかけは?

 もともと私は、Jリーグの湘南ベルマーレのコーチをしていました。その関係で小学生への巡回授業を行うんです。小学生に配られていたフリーペーパーのなかに偶然ある記事を見付けました。それが、小田原市で取り組まれている「ぶりの森づくりプロジェクト」です。小田原市はかつてブリが何万本と獲れていたのですが、最近は何百本しか獲れなくなっている。このプロジェクトは、海をきれいにするだけではなく、海と森はつながっているという考えのもと、山をきれいにすることで、ブリが獲れる海を取り戻そうとしているということがコラムに書かれていました。山には木を植えないといけないという先入観がありました。実際は逆で、日本の森は、木が密集しすぎていて間伐(森林を間引くこと。森林の手入れ方法)が必要だと知ったんです。ではその間伐した木である間伐材をどうすればいいのか?「そうだ!スタジアムを創りたい!」そんな思いが構想のきっかけです。

ーー”スタジアムを中心にした街”とはどんな街でしょうか?

 私はサッカーをずっとやってきたので、まずはスタジアムをつくろうと思ったんです。しかし、色んな人と話をしていく中で、世の中には色々な課題がある事を知りました。例えば、病院、高齢者向けの福祉施設、子育てをする場所が街には不足してます。また、人口も減少してこれから空き家や廃校が増えてきます。木造のスタジアムを中心に、その周りには間伐材を利用した公民館や老人フォーム、カフェをつくります。場合によっては空き家を間伐材でリフォームし、人が集まり、地域の拠点となる。間伐材を利用することで、街がリニューアルされ、街に循環が生まれることがみんなの幸せに、森が、日本が元気になる事につながります。それが私の掲げる「木造スタジアム構想」です。

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ーーとても素敵な夢ですね。

 かれこれ10年間この夢を叫び続けています。そのうち「一緒にやりましょう!」という仲間がどんどん集まっています。建築家の隈研吾さんも関わってくださる事になりました。夢を実現させる計画が動いています。

ーー最後に何か行動しようという思いのある高校生、学生にメッセージをお願いします。
 
 自分がやりたいことは、過去にやってきたことが未来にもつながっていくことだと思います。私の場合はそれがサッカーでした。たまたま見つけたコラムで、森の大切さにきづかされたんです。それをきっかけに、湘南ベルマーレのコーチを務めた時代に、森林フットサルキャンプをしました。サッカーと森をつなげて、森林の中でキャンプをしながら、サッカー場ではなく、森の広場でサッカーをする。自分がやってきたことが未来につながっていくという思いがあるんです。未来をイメージするのも大事ですが、自分が過去に何をしてきたのかを振り返ることも大事だと思います。あとは、視野を広げることを大事にして欲しいです。私には、人生観が変わったタイミングが何度かありました。1つはドイツへの留学です。ドイツでの生活に刺激を受け、帰国するときは飛行機を使わずに、シルクロードを通り、2か月かけて日本に帰国しました。言語が通じない人とコミュニケーションを取りながら、電車、バスを乗り継いで、ヒッチハイクをしながら帰ってきました。色んな人に会って、色んなところに行って経験を積むということは、自分の人生が変わったり、人間の幅を広げるチャンスです。経験と経験がつながって、やりたいことにもつながっていきます。そんな経験をできるだけ多く、広くしてください。

ーインタビューを終えてー

 ゆっくりと落ち着きながら、本気で実現しようと未来を、夢を語る一場さんの言葉には深みと温かさがありました。何度も何度もたくさんの人に自分の夢を語り磨きあげられた言葉が、夢ではなく現実になろうとしていました。たくさんの経験をし、それがいつかつながり、自分のやりたいことへの道になるのだと感じた時間でした。


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一場さんとのお話をもっと聞いてみたい!という方はこちらのイベントにぜひ参加ください!
https://manabitaiwa02.peatix.com/

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「Color Full  カラ・フル~私が描く未来の色々~」に込められた願い
 自分のやりたいことができる=「自分が自分の色で輝ける」人がいっぱいいる未来を創るサポートをしたい!そんな思いでこの記事を書いています。自分が描きたい未来を創ろうとする人との出会いが、皆様の「やってみよう」という思いにつながれば誠に幸いです。

編集者
「まなびたいわ」事務局スタッフ岸野奏
地域資源の活用、地域資源循環のシクミを学んでいる。

「まなびたいわ」とは?
学生・社会人問わず、多様なバックグラウンドを持つ人々との「対話」や「ディスカッション」を通して、自身の「ありたい姿」「なりたい自分」に気づき、それを仲間(和)で実現させるコミュニティです。

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