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意外と知らない「メジャー」と「インディーズ」の違いとは?

みなさん、こんにちは!!
Podcast「アーティストのミカタ」進行役の中野です👩‍🎤⭐️

今回のテーマは「メジャーとインディーズの違いってなに?」です!

テレビやネットの音楽情報をチェックしていると、 

「メジャーデビュー決定!」
「おすすめのインディーズバンド紹介!」

など、「メジャー」や「インディーズ」という言葉をよく目にしますね。

みなさんは、「メジャーアーティスト」、「インディーズアーティスト」にそれぞれどんなイメージを持っていますか?

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私は、
「有名なアーティストはメジャーで、多くのアーティストがメジャーデビューを目指している」
というようなイメージを持っていました。

しかし、具体的にどんな違いがあって、その違いがアーティストにどう影響するのかについてはあまり理解していませんでした。

今回は、これらの根本的な部分を中心に沢井先生に解説して頂きました💡
noteではポイントをまとめて行きますが、Podcastではさらに詳しい話題が登場しますので、合わせてチェックしてみてください!

1.どんなアーティストが「メジャー」と呼ばれる?

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まずは、どんなアーティストが「メジャー」と呼ばれるのかということについてです。

沢井先生曰く、「メジャー」の定義は海外と日本とでかなり異なってくるそうですが、今回は日本の事情に絞ってお話を伺いました。

日本の場合は、レコード業界を取り仕切る、日本レコード協会の”正会員”として加盟しているレコード会社から楽曲をリリースしたアーティストが「メジャーアーティスト」と呼ばれます。

ただし、日本レコード協会には、正会員の他に準会員など階級が存在するため、
協会に加盟している会社からリリースをしていたとしても、インディーズとして扱われる場合があるそうです。

ではメジャーであるか、インディーズであるかということが、
実際アーティストの音楽活動にどう関係してくるのか、次の章で解説して頂きます!

2.「メジャー」と「インディーズ」、アーティストにどう影響する?

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以前、アーティストや音楽にまつわる権利についてnoteで紹介しました。

\権利についての記事はこちら!/

その音楽にまつわる権利、主に原盤権の大元にあるのは前述したレコード協会で、メジャーレーベルに所属していることはそこに様々な特典があると言います。

例えば、CDを作った場合。
インディーズの場合は、CDをプレスした枚数分の使用料をJASRAC(日本音楽著作権協会)に支払わなければなりません。
1万枚のCDをプレスして、1000枚しか販売できなかったとしても、プレスした1万枚分の使用料を支払わなくてはならないため、9000枚分の使用料が無駄になってしまうということです。

それに対してメジャーの場合は、プレスした枚数分ではなく、
流通会社に卸した枚数分のみの使用料を支払います。
(ただし、卸した分が全て売れるとは限りません。そのような場合のエピソードは、ポッドキャストにてお話していますのでぜひ聴いてみてください!)

次に、テレビやラジオなどのメディアで楽曲が放送された場合。

メジャーのレコード会社からリリースされた楽曲が、メディアで放送された分の使用料は、包括(一つにまとめて)でレコード協会に支払われます。
レコード協会は、そこから各レコード会社に分配するという仕組みです。

つまり、レコード協会が放送事業者とレコード会社を繋ぐ大きな窓口となっているのです。
そういった部分では、レコード協会に加盟していた方が特典がある、と言えます。

3.レコード協会に加盟していないアーティストが使用料を受け取るには?

では、レコード協会に加盟していないインディーズアーティストの楽曲が使用された場合、そのアーティストに使用料が振り込まれることはないのでしょうか?

実は、そうではないそうです。

沢井先生が役員を務められている、インディーズとして活動するアーティストの権利を守り、楽曲がメディアで放送された場合をはじめとする二次使用料の分配や、著作権・著作隣接権等の知識の普及を行っている「IRMA(インディペンデント・レコード協会)」というインディーズレーベルの団体があります。

個人で活動しているインディーズアーティストも、この「IRMA」に届け出を出し、手続きをすることで分配を受けることができるのです。

他にも、IRMAと同じようにインディーズレーベルのために設立されたILCJ
(インディペンデント・レーベル・協議会)という団体があります。
両者の違いは、IRMAがNPO団体で、ILCJは任意団体です。


これらの団体には個人でも登録できますが、それを知らないで、自身が持つ守られるべき権利や、分配を受けることができる方法を知らないアーティストはたくさんいると言います。

確かにメジャーアーティストとして活動することで、前述したように物事を進める際に融通が利いたり、アーティストへ分配する仕組みが予め確立されていたりと、様々な「特典」を得ることができます。

それに比べてインディーズアーティストは、そのようなことを自らが考え、判断し、行動していく必要があります。
しかし、行動に移した先には、先ほど紹介した「IRMA」や「ILCJ」など、インディーズアーティストのための受け皿が存在することも事実です。

「メジャーでなければ権利は守られない」ということは決してありません。


4.メジャーとインディーズでアーティストに分配される割合は変わる?

ここまでで、メディアで楽曲が放送された際、その使用料の分配方法はメジャーとインディーズで異なるということがわかりました。

違うルートで受け取るため、アーティスト側に分配される金額にもそれぞれ差が出て来ると言います。

メジャーレーベルに所属しているアーティストにはアーティスト印税として、
一般的には、CDの売上の1%〜2%が支払われます。

それに比べて、例えば、インディーズレーベルからリリースしたり、自主レーベルを持っている場合は、前者の場合は原盤印税(約20%)が全て入って来たり、後者の場合は流通から入ってくる売上全て(約50%)がアーティストの取り分となります。

インディーズレーベルに所属している場合も、原盤権をアーティスト自身が持っている場合が多いため、かなりの割合がアーティストに支払われると言います。

このように権利がどこにあるかによって、アーティストに分配される割合は大きく変わってくるのです。
この点は、インディーズで活動することの大きな利点と言えますね。

5.「メジャー」と「インディーズ」、昔と今。

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ここまで、「メジャー」と「インディーズ」の違いやアーティストへの影響を考えてきましたが、昔と今ではそもそも「メジャー」と「インディーズ」のあり方が変わってきています。

例えば、「メジャーアーティスト」と言えば、インディーズアーティストに比べて世の中への露出も多く、派手に打ち出してもらえる、というようなイメージがあるのではないかと思います。

しかし今はメジャーレーベルに所属しているから宣伝費をかけてプロモーションをしてもらえる、という時代ではないと言います。

テレビで紹介されるのも、メジャーの中でも特にメジャーなアーティストに限られているのです。
確かにメジャーレーベルが「音を作る」ということにおいて、ノウハウを持っていたり、プロモーションチームが用意されているというのは事実です。
しかし、売れるために、「絶対にメジャーデビューしたい!」と考える必要はもうなくなりました。

様々な手段で音楽を発信し、聴くことができる現代。
メジャーだから売れる、インディーズだから売れないということはありません。

だからこそ、アーティスト自身が自らの持つ権利を正しく理解し、それをどう動かせば、自分たちにとって1番良い状況で音楽活動をすることができるのか、ということを考えていくが必要があるのです。

6.終わりに

今回は、「メジャー」と「インディーズ」の違いをテーマにお送りしました。

普段耳にすることが多いこの「メジャー」と「インディーズ」ですが、具体的に何が違うのか、アーティストにどんな影響があるのかについては知らないことが多かったのではないでしょうか。

今度このテーマでお送りする際には、「メジャー」と「インディーズ」それぞれの良い部分などを深堀りしていこうと思いますので、ぜひチェックしてみてください!

noteの内容はPodcastでもお楽しみ頂けます。
さらに詳しい内容が盛り沢山ですので、ぜひ合わせてチェックしてみて下さい😊

次回もお楽しみに!

\番組では、みなさんからの質問を受付けています!/

音楽活動を行う上で不思議に思うこと、わからないこと、知りたいことなどがあれば、ぜひお気軽にコメントをお寄せ下さい✍️

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たくさんのご応募お待ちしております!


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