【随時更新】商社マンが薦めるビジネスパーソン向け書籍

商社で働いていると、トレーディングと事業投資という2つの全く趣の違うビジネスモデルと向き合わなけれならない。また、海外の顧客やパートナーとの議論も多く、求められる知識やスキルは非常に多い。従って、読書による知識獲得は欠かすことができず、今まで非常に多くの本を読んできた。その中には、商社パーソンに限らず、多くのビジネスパーソンにとっても有益と思われるものも含まれるため、紹介していきたい。(当初は順不同で紹介していくが、頃合いを見て、ジャンル別の整理を行うつもりであるため、雑多感についてはご容赦頂きたい。)

1.読書の技法
本を読む目的は、息抜き等の場合もあるが、基本的には仕事に生かすためだろう。まずは、読書術の本を読んで、早く本を読む方法と頭に残し行動に落とし込む方法を学ぶことで読書の効果を最大化しよう。読書メモの残し方等の説明あり。

2.武器としての決断思考
故 瀧本哲史さんの著書。彼の本は読む価値が非常に高いが、中でも、この本は最初に読むべきだと思う。複雑化する時代において、「自分の人生は、自分で考えて、自分で決めろ」という強いメッセージが込められている。内容は、ディベートの手法を参考に、現時点での最適な意思決定をする方法を説明したもの。会社においても、人生においても、正しい意思決定方法は知っておくべきもの。

3.武器としての交渉思考
同じく瀧本哲史氏の著書。交渉術の本。交渉術はMBAでも学ぶものだが、あまり専門書が無い。商社は、サプライヤー、顧客、ビジネスパートナー、社内関係者等々、交渉で溢れているため、最初のうちに身に付けておくべき思考法。

4.入門 考える技術・書く技術 日本人のロジカルシンキング実践法
マッキンゼーのバーバラ・ミント氏の本家『考える技術・書く技術 問題解決力を伸ばすピラミッド原則』もいいのですが、先ずはこちらを読んで、シンプルで分かりやすい文書を書くことができるようになるスキルを身に付けておくと非常に役立ちます。全ビジネスマンがこういう文書を書いてくれたらいいのに。より極めたい方は、本家もどうぞ。

5.問題解決プロフェッショナル 思考と技術
商社(というか世間一般)の仕事の多くは、顧客の問題解決です。この本は、問題解決系の本はとても多いのですが、この本はかなりシンプルでわかりやすいと思います。

6.財務3表一体理解法
ビジネスと会計は切っても切り離せません。ボリュームが多くないにも関わらず財務三表の基本を抑えられるので、良書です。あとは簿記2級くらいまで取ったらいいと思います。それ以上については、会計を武器にしたい人はどうぞ。

7.鬼速PDCA
PDCAは、仕事にも仕事以外の自己成長にも重要なフレームワークだと思います。高速でPDCAを回す方法が書いてあります。爆速成長したいかはどうぞ。

8.人を動かす
説明不要ですね。ですが、ビジネスとは即ち、人を動かすことなので、知っておかなければならない内容です。

9.コンサル一年目が学ぶこと
困難な課題をスピーディーかつロジカルに解決するコンサルの方々の働き方を先ずは身に付けるべき。その後、各業界に応じてオリジナリティを付けていけばいい。

10.英文契約書の読み方
商社パーソンは英文契約書を読む機会が非常に多い。英文契約書は特殊な構造、表現が数多く出てくるので、その読み方を最初に知っておくと読みこなすスピードが段違いです。

11.投資家のための金融マーケット予測ハンドブック
商社で扱う商材の多くはその市況がマクロ経済に左右されます。マクロ経済の動きを予測し、顧客と建設的な議論をするために必要な知識です。

12.MBA バリュエーション
特に事業投資に関わる可能性の高い人へ。必要最低限のバリュエーションの知識が書いてあるので、とりあえず話についていけるようになります。

13.道具としてのファイナンス
12の本よりは一歩踏み込んだ内容で、かつ、Excelでのバリュエーション手法の基礎が学べます。実際に手を動かす人におすすめです。

14.M&A 賢者の意思決定
M&Aを担当する人へ。そのM&Aは本当にするべきか、正しい意思決定をするための原則を学ぶことができます。実行ありきのM&Aは愚行です。先ずはこれを読んでください。

15.良い戦略・悪い戦略
14の本にも書いていますが、M&Aの成否は戦略がものを言います。良い戦略とは何か、逆にどうなってしまうと悪い戦略なのかを学ぶことができます。

16.ストーリーとしての競争戦略
15の本と若干内容は被るかもしれませんが、読みやすく面白いので、競争戦略を学ぶ際にはこちらもおすすめです。

17.ビジネスデューデリジェンスの実務
DDの本はたくさんあるのですが、先ず事業会社としてM&Aをするなら、BDDから入ると良いと思います。別途紹介すると思いますが、財務DD、法務DD等も概要は学んでおく必要があります。

18.M&A実務のすべて
M&A初心者の場合はこれを最初に読みましょう。M&Aプロセスにおいて、何をしなければならないかが網羅的に説明されています。

19.M&Aの契約実務
M&Aはリスクだらけです。そのリスクから我々を守ってくれる唯一の盾が契約です。M&Aに関連する契約の構成や条項について学ぶことができます。

20.異文化理解力
商社パーソンは色々な文化圏の方と話す機会が多いです。相手との信頼関係を構築することが非常に重要なので、相手の国の文化については事前にリサーチし、何をすべきで何をすべきでないのかを学びましょう。そういった考え方の基本を学ぶことができます。


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