141.理屈で創るものは人情の被覆を、感情で生むものは理論でコーティングを
著・三松會 占心行動学塾長 脇田尚揮 ■LINE公式アカウント■
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モノ創りをする際には感性が必要になってきます。でも感性の中には、理論と感情を同居させることが大切だと言えます。なぜならどちらか一方だけだと、そのモノに宿る本質を理解してもらうのが難しいためです。
理論に基づいて客観的な事実を述べなければ、対象の形状や質感、希少性や価格の根拠となるものを伝えることができません。また、感情に基づいて主観的な想いや制作動機を発信しなければ、対象の背景や価値を伝えることは難しくなります。
たとえば、1000円の箱ティッシュを販売したとしましょう。理論のみで説明するとすれば、素材の持つ保湿性、厚みや重ねる枚数、そして肌触りなどについて追及した結果、高級なティッシュであるという裏付けをこと細かく解説することになると言えます。
でも、そこには良いモノであるのは理解できても、なぜわざわざそれを世に出したのかが見えてきません。そして、誰のためにどういう用途で使うかもわからず、ただの高くて上質なティッシュという印象になります。
一方で、感情のみで説明すると、鼻炎の時期に鼻をかみすぎて赤くなってしまうのを防ぎたい、肌の弱い人たちのために優しいティッシュを創るという夢を叶えたい、というエモーショナルな部分に語りかける形になるでしょう。
ただ、どんな素材を用いてどういった効果があるかのロジックが見えないため、1000円の価値があるかどうかの判断材料が少なすぎて、制作への想いに対してお金を出すには、かなりハードルが高いと言えます。
これら理論と感情の両方がそろってこそ、初めて創造物は完成されるのです。もしも製品にそれらのうちどちらかしかないときは、欠けているものを補うことが必要になってきます。
理論は人情で、感情は理屈でコーティングをすることにより、モノとしての価値がダイレクトに伝わりやすくなるのです。
Q.あなたは理論と感情、どちらから伝えるのが得意ですか? モノの本質を伝えるために、苦労しているのはどんな点でしょう。