人生でいちばんのレモンケーキ
わたしは今週「人生でいちばん」を更新しました。
そう、タイトルどおりレモンケーキの話です。
正直に言うと、わたしはその日、バナナケーキが食べたかった。カフェのメニューにはあったんですよ、バナナケーキ。
でも頼もうとしたら今日はないという。そしてお店のオススメはどうやらパンケーキらしい。
でもパンケーキを食べる気分ではない。。
そこで、最初食べたかったわけでもなく、お店のオススメでもなく、なんとなく気になった「レモンケーキ」を頼むことにしました。
最初にネタバレしといて何ですが、わたし、実はレモン系のお菓子があまり好きではありませんでした。
だってレモンはすっぱいのにお菓子はたいてい激甘くて、何となく本人不在というか、レモンの爽やかさを名乗るニセモノ感があったから。
でもなぜでしょうね、この日は食べてみようと思ったんです。
そして運ばれてきたレモンケーキ。
もう、第一印象からしてよかったです。レモンの形をしてない!
レモンすらのっていないから、見た目なんのケーキかわからない。なんともシンプルで上品な、そして自己主張少なめなケーキ。
フォークをいれると、少ししっとりとした質感。
口に運ぶと…
「おいしーーーーーーーーいぃ!!!
こんなのはじめて食べたーーーーぁぁ!!」
予想外に口のなかいっぱいに濃厚なレモンがふわーと広がっていきます。
すっぱくはない、でもしっかりレモン、そして甘くないけど、甘い。
たぶん、わたし、レモン味のホンモノにはじめて出会えたと思います。
とにかく「おいしい!!」
きっとこれじゃ全然伝わらないですねww
でも「本当に」おいしいものに出会ったとき、「本当に」好きなものに出会ったとき、言葉は一気に無力になるとわたしは思っています。
それっぽく書くことへの抵抗。
負けちゃうんですよね、感性には。
レモンケーキに対する概念が大きく変わるほど「今まで食べたなかでいちばんおいしいレモンケーキ」に出会えました。
自分の欲望でもなく、人様からのオススメでもなく、なんとなくで頼んだケーキが人生いちばんになるとは。
予期せぬ幸せ。
がんばらなくても舞い込む幸せ。
こうしたい!こうしたほうがいい!ふだん、そんなふうに力みがちな自分には目からうろこの経験。
流れに身を任せることの楽しさを知りました。
しかもこれ、どこのカフェだと思います? こちら岡本太郎記念館でのお話です。
アート鑑賞に行って、誰もいないからちょっと休憩〜♪と安易にカフェに入った自分を恥じました。
カフェはアートのはしやすめなんかじゃない、ここはここで主役。
おいしいだけじゃなく、固定概念の崩壊をももたらした「レモンケーキ」。わたしの人生のキーマンならぬキーケーキになることでしょう。
この味とこの感覚は、きっとこの先も忘れないと思います。
あの味にまた会いに行きたい!おいしいとふれまわりたい!
そんなおいしくて学び多きレモンケーキでした。
※追記※
岡本太郎さんのアートを眺めながらおいしい時間が楽しめるカフェ「a piece of cake」は、美術館に入らずとも利用できます。
ケーキと一緒に頼んだカフェオレも激おいしかったです。まろやかで。カフェオレもいままででいちばん更新です。
もちろん岡本太郎記念館のアートは言わずもがな。
記念館、展覧会の感想にも興味がある方はよろしかたら、こちらもご覧ください。
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