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夢見る宇宙と音楽と

佐治晴夫先生 米寿記念レクチュア&コンサート


とても良い時間を過ごせました。



宇宙という壮大な「すべて」を音楽、物理・数学・・・さまざまな面から
解き明かしてくれる佐治晴夫先生。

88歳の記念講演。
会場で渡された冊子には、砂時計が2つ描かれていました。
砂時計が8という形に似ているのですね。




佐治先生は、いつも宇宙という大きなスケールを持っています。
だからいつも近くばかり見て、せまい世界でただ忙しく動き回っている自分にハッとします。

宇宙は本当に広いということ、
この世界は不思議なことに満ち溢れていることを忘れがちです。


レクチュアとピアノとパイプオルガン演奏


プラネタリウム投影

天井に映し出された星座がゆっくり動いてゆきます。
過去や未来の話、時間の話など興味は尽きません。

ボイジャー1号、2号の話 
宇宙人にあてたゴールデンレコード(メッセージ)には
地球上の様々な音が録音されている。
日本語の「こんにちは、お元気ですか」という挨拶もはいっています。バッハの音楽も。


太陽系から外へ出たボイジャーは、今この瞬間もバッハの音楽ともに宇宙を黙々と飛行しています。



太陽系の家族写真
ボイジャーは約60億kmもの彼方から、太陽を振り返り「太陽系の家族写真」を撮影しました。これは最も遠いところから撮影された地球の画像。


地球はペイル・ブルー・ドット(Pale Blue Dot)」と呼ばれる「小さな青い点」です。
私たち、ここに住んでいるんだな~と思うと気持ちがリセットされますね。それに水星から海王星まで、私たち地球の兄弟星なんですよね。



何かを知れば知るほど、知らないことが増える


ひとつ面白いお話を紹介しましょう。
解明しても、解明しても新しい謎がでてくる。科学者さんは、そういったことをよく話します。


それをボールで感覚的にとらえることができるのです。


自分の「知っている量」が小さなボールの内側くらいだとしましょう。
そうすると、そのボールの表面は知らないことだらけの世界。

だんだんと知っている量がだんだん増える、つまり大きなボールになります。大きくなると表面積も大きくなります。


だから、知ることで、知らないことが増えるというわけです。


私たちは何かを知ることで、この世界で解明されるべきものが減ったように勘違いしてしまいますが、実はそうではないのですね。


知ることで、また新しい「知らなかったこと」が増えていくのです。



余命宣告をされたけど

先生はガンで余命宣告もされたそうです。でも「病になったら戦わないこと」と淡々とお話されます。


近い未来への希望をこまめに設定して、それを重ねながら上手に共存する道を探すのだそうです。


「私を殺したら、キミも死ぬんだからね」くらいに考える。


宇宙のことを考えると目の前のことが小さく見える


先生のパイプオルガン演奏も心に残る思い出になりました。

1942年 佐治先生はお父様にこう言われたそうです。
「日本全土が焦土と化すことが予想される。日本に数台しかないパイプオルガンもおそらく焼失するだろうから、今のうちに聞いておきなさい」と。


日本橋の三越の中2階にあるオルガンを聞きに行き、そこで天上から舞い降りるようなバッハの音楽に出会ったのです。



宇宙のことを考えることは、人間について考えること。
私たちは外側へ意識を拡大するように、心の中に大きなスケールを持つことが大切ですね。
2022年の心あたたまる大切な思い出になりました。




佐治晴夫先生 プロフィール

1935年生まれの理学博士(理論物理学)

松下電器東京研究所、東京大学物性研究所、玉川大学教授、県立宮城大学教授、鈴鹿短期大学学長を歴任。現在同大学名誉学長、大阪音楽大学客員教授、JAXA宇宙連詩編纂委員会委員長。

北海道「美宙」天文台台長
宇宙創生に関わる「ゆらぎ」研究の第一人者 著書は90冊以上
宇宙研究の成果を平和教育の一環と位置づけるリベラルアーツ教育の実践を全国的に展開している。


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