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大企業内の新規事業アイデアコンテストへの向き合い方

先日、エスタブリッシュな総合商社の友人と話す機会がありました。
「この前うちの会社で新規事業コンテストが始まったんだけど、どう思う?」 と聞かれたので、今回、私なりの考えをまとめたいと思いました。


新規事業コンテストといわれたときに考えること

私の中で、新規事業コンテストといわれて一番初めに思いつくのが、リクルート社のNewRINGです。
(“ゼクシィ”、”R25”、”スタディサプリ”などは、社内公募ではじめられたそうですね。)

リクルート社は、大企業の中でも、新規事業における、「ヒト・仕組み・組織」が揃っている数少ない企業であると思います。(是非リクルートの「中の人」がいたら、インタビューさせていただきたいです)

※「ヒト・仕組み・組織」に関しての考察は、こちら
https://note.com/mamekanote/n/nfb3b530b6ebf

そもそも、私は、大企業の既存事業に匹敵する事業は、生半可な気持ちでは生まれないと思ってます。
経営陣もそこは、わかった上で、コンテスト実施にGoサインを出しているのかと思いますが、

何故、幅広く社内の新規事業アイデアコンテストは行われるのでしょうか?

私は、以下の理由があると考えます。

・異業種に目を向けてもらうための人材育成 
・将来に向けた新規事業人材の見極め


理由その1:異業種に目を向けてもらうための人材育成

以前、『両利きの経営(出版)東洋経済新報社』で知られる入山先生の講演を聞きました。

「イノベーションは知と知の組み合わせである byシュンペーター」

そこから、新規事業を創出するには「異業種の知見を取り込む」ことが重要であるとおっしゃってました。

車の大量生産で知られるフォード社は、ベルトコンベアを豚の屠殺(とさつ)から思いついた。
トヨタのかんばん方式は、スーパーマーケットの品出しから着想を得た。
TSUTAYAのCD・ビデオレンタルのビジネスモデルは、街の消費者金融を参考にした

いずれも、本業とは関係のない異業種からイノベーションが生まれていますね。
新規事業コンテストを開催することによって、社員が本業だけに目を向けるのではなく、異業種の知見も取り込めるようにしたいという狙いがあると思います。


理由その2:将来に向けた新規事業人材の見極め

私の持論で、新規事業創出に一番重要な要素は”ヒト”です。
その要素とは、”ゼロ→イチ”の思考をもっている”ヒト”です。

“ゼロ→イチ”の思考に重要な要素とは、以下と考えます。

・目指す方向性や、やりたいことを明確にしている
・自分の強みを意識している
・レジリエンス*がある  レジリエンス* 折れない心

大きな組織の画一的な人事評価制度では、そうした”ヒト”を見抜くことは、中々難しいと思います。
しかし、コンテストに応募してきている時点で、”思い”がある人物であることは明確です。
そして、アイデアの選考プロセスが進むにつれ、本気度が問われます

その選考過程で、”ヒト”は成長していきます。自分を見つめて、自分の強みが何なのかを知るきっかけにもなるでしょう。

新規事業を進めていくにあたっては、”チーム編成”が重要です。
いかに多様な強みをもった人たちを配置できるかで、アイデアの幅の広さや深さが違います。
その点で、コンテストにおいて、新規事業人材の見極めの要素がないとはいえないでしょう。


コンテストの運営側は何を考えて進めている?

コンテストの運営側の考えとしては、以下となります。

・経営陣にも”人材育成”という意味でコミットしてほしい
・事務局を設置して、全社を巻き込んでできるだけ多くの人に参加してもらいたい
・イントラプレナー(社内起業家)を創出するメソッドとかあるけど理論を取り入れるのは難しい
・思いをもった社員を見つけたら、個別に巻き込んで当事者になってもらいたい

難しい点は、エース社員ほど、現業に引っ張られがちで、中々、
思いをもつ社員にめぐり合うことは難しいということです。

社内で成長に悩んでいる方は、是非、このような機会を利用してみてはいかがでしょうか?
そして、社内コンテストがないのであれば、自分で企画・推進してみてはいかがでしょうか?

周りの環境に目を向けるのではなく、自分で変化を起こしにいきましょう。

熱い思いをもつ社員、そして、未来を担うデジタルネイティブの若手社員は
どんどん大きな仕事を任されるような個人技を磨いていく時代になっていく
と思います。



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