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理想的な「家」について考える①~住宅ローンのトラウマ~

私が小学3年生の頃、9歳離れた弟が生まれた。その数ヵ月後に住んでる家を離れて近所のおばさんが所有している家に移り住んだことがある。半年ぐぐらいその家で生活していた。
借家は、昔ながらの家で広かった。
古くて暗くて突如家の中に現れる虫がでかくて怖かったけど庭も広くて裏が山で自然たっぷりな生活だった。このままここにずっと住んでもいいんじゃないかな、と思ってた。

私は古い家が好きなんだ。

建て替える前の家もだいぶ古くて色んな所が劣化してたと思う

家は劣化してたけど心は豊かだった。

古い家に住んでいた頃の方が良かった
新築した当時はバブルの頃だったと今思う、きっと父も母も不況が訪れる、リストラされるなんて想像してなかっただろう。
土地面積ギリギリいっぱい使った立派な家が建ったのは私は小4の秋頃だった…いまだに秋頃になると当時の新しい家の自分の部屋、新しいベッド、窓から流れる爽やかな風が白いカーテンを揺らす景色を思い出す。
懐かしい風景と当時の真新しい家のにおい。

その後、不況がやってきてリストラもやってきた。

立派な家が重荷になってきたのだった…


父がリストラに遭った、ちょうど今の私と同じ歳くらいだろう。
順調に返せるだろうと思って組んだローンがめちゃくちゃ重くなっていった
当時私は、10歳。ちょうど今、娘が10歳だ。
不穏な空気を察知し始めていた。
私に出来ることは9歳離れた弟の世話をすることだった。

父も母も仕事に一生懸命になっていった
残りのローンを返すために一生懸命働いていた
私は中学生になって弟の面倒見ながら家事の手伝いをした
毎日部活して帰って母は忙しそうに夕飯の準備していた、機嫌が悪い。
私は、洗濯物取りこんだり干したりお風呂掃除したり機嫌が悪い母が料理をしている間、ゆっくりとリビングに座ってられないので何かしら手伝いをしていた。


毎日こんな感じだった。

古い家が恋しかった
新しく家を建てなければ機嫌が悪くなることもなかったのに…


家の中が不穏な空気の中、中学2年生になり進路を考えなくてはならなかった。ほぼ家庭崩壊に近くなってる我が家に明るい話題など無かった。
当然、私も夢とか希望とか持てなかった。

私は現実を見過ぎていた

我が家に余裕など無いんだ…

高校なんてどこでもいいや…家事手伝いで勉強もそこそこテキトーにやり過ごして諦めていた


中学2年生の頃、進路相談で担任の先生が母に、進学校と私立の高校をセットで受験してみないかと提案してきた。
母の聞き間違いじゃないの?!と当時思ったことを覚えている。
現実を見過ぎてた夢もやる気も失いかけていたので
担任の、やれば出来るという思いはとても嬉しかった。

それだけで充分だった。
担任の助言は無視した、気持ちは嬉しかったけど無理なんだ…先生
本当は勉強に集中したかった。
でも家族がそれどころではなかったんだ

先生が気にかけてくれていたことは今でも感謝している
縁があって、いまだに先生とは連絡を時々取っている。



なんのためらいもなく私は家から近い高校に進んだ。


新しく建てた家がどんどん嫌いになっていった。
家庭内の状況は悪化するばかりだった。
はやく大人になりたいと思っていた。

家の中は本当に不穏で学校だけが唯一楽しく過ごせる時間だった、嫌なこと忘れられた。私は学校の友達に救われたタイプ。なので学校は好きだ。


高校卒業して専門学校へ行き、就職した。
嫌いな家から仕事に通っていた頃、両親が離婚した。

原因は色々あるけど、ローンの事で揉めていた
お金の切れ目が縁の切れ目。

とうとう母が限界に達して家を出て行ってしまったのだ。

父だけでローンを払っていくことになった、母が出て行った後
不思議なことに父の仕事がめちゃくちゃ増えたのだった!

その後、数年残りのローンをどうにかこうにか払い続け完済。
終盤、私も父に代わってローンを数か月払った。
その時も色々あって善意で父を助けた私は大変な目に遭ったのだ、、、

私にとって実家は、一生好きにはなれない家なのだ。

見た目にこだわって建てた家はとにかく使い勝手が最悪で、ベランダの陽当たり最悪、窓の配置が悪く風通しが悪い故に部屋がすべて暗い。
2階の部屋は西日全開で夏は部屋にいれたもんじゃない。
無駄に柱とかに使った木が良いやつ。
外壁、瓦もめちゃくちゃ頑丈。
瓦なんて台風で飛ばされないように一つ一つ針金で固定されている、台風で心配することは無いが布団を屋根に干していた私は、よく針金に布団を引っ掛けてしまい破いていた…


文句言えばキリがないくらい使い勝手の悪い家なのだ。

こんな家には絶対将来住まない。と誓った。


建てる前の古い家は、庭が広くて小さな家だったが
敷地にも余裕があり心にも余裕がある。そんな家だった。

水回りも明るくて好きだった。

古くても陽が柔らかに当たる、明るい家だった。

昔の家での暮らしがとても懐かしくいい思い出が詰まっていたせいで
立派な新築に目もくれず、古い家ばかり目が行ってしまう。

新築時代が闇過ぎて、古い家を好んでしまう。
新しい家は苦労する。という経験上、家を建てたいとは微塵も思えないくらいトラウマなのだ。


なので結婚しても旦那の両親と同居を選んだ。
13年目になる。

トラウマは義理両親との同居を選ぶほど強く影響する

だいぶ狂ってると思うけどw

実家より全然居心地が良かった。



が、13年目の7月。
私の心の中を動かす出来事が起こった。


私が住む長崎に大雨が降り、各地にとてもひどい被害が起きた。


                        つづく。



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