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読書「ISSUE DRIVEN②」~ストーリーづくりが生産性を高める~

新人の頃は上司から振られた仕事に対して成果を出すことに努めてきました。最近、この仕事ってホントにやるべきこと?と自問することが増えてきました。そんななか、ネットニュースで紹介されていたのが安宅和人さんの本書となります。安宅さんはシン・ニホンを書かれた方であり、最近ではコロナ関連の討論会などでも発言されており注目されております。

・生産性を高めるストーリーラインづくり

イシューを見極めたら次に必要なことは解の質を高めることです。解の質を高め、生産性を大きく向上させるためにはストーリーラインづくりが重要となります。ストーリーラインづくりではイシューを細かく分解し、解きやすいサイズまで小さくした後、それらのサブイシューに対する仮説に基づきストーリーラインをつくります。イシューを分解する際はダブりやモレがないようにMECEを意識していきます。

・イシュー分解のフレームワーク

新しい商品の開発などは「最後にほしいもの」から逆算していくとイシュー分解がうまくいきます。
①コンセプト設計:いつ、だれが、どのような場面で使うのか。なぜ既存よりも優れているのか。
②エコノミクス設計どのようなコストが生じ、どのように分担するのか。採算を合わせるのか。
③運用設計:ほしいものに対してどのようなシステムを構築し、運用するのか。
④マーケティング設計:ネーミング、ブランディング、デザイン、プロモーションはどのようにするのか。
このように仮想的なシミュレーションを立てていくと、このイシューにはいくつかに分解でき、それぞれに解を出す必要があることが明確になります。これらを何度も繰り返して必要となるサブイシューをつくり、シミュレーションしていくことが大切となります。

・相手を動かすストーリーライン

イシューを分解し、それらのサブイシューに対して個々の仮説を見つけた後には、ストーリーラインを組み立てていきます。ストーリーラインは以下の流れが代表的です。
①必要な問題意識・前提となる知識共有
②イシューとサブイシューの明示
③それぞれのサブイシューに対する解
④まとめ(意味合いの整理)
ストーリーラインを作る目的は相手を納得させること、以後に必要となる分析の表現方法が変わることが挙げられます。結論だけ述べていても人を共感させて納得させることはできません。そのため、このようなストーリーラインを作って論理的に説明することが大切となります。また、ストーリーラインを最初に作ることで目的に対してよりストレートに進めることができます。

~終わりに~

本章はロジカルシンキングに通じるものが多い内容でした。私のような工場設備のモノづくりにおいては、最終的に生み出したいものからの逆算が効果的かと思いました。コンセプト設計、エコノミクス設計、運用設計、さらには安全や環境といった項目をサブイシューに含める必要があるのかなと感じました。
私の身の回りではこうした設備設計の進め方に関するフレームワークがありません。業界や企業によってカギとなるサブイシューや風土も異なるのでこれまで作ってこなかったのだと思いますが、こうしたフレームワークがあると生産性が大きく向上するかと思います。これから多くの開発をおこなっていくなかで自社流・自己流のフレームワークを作り出していけたらなと思いました。

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