東京の感染者数は本当に増えているのか?(7月13日時点)
「新型コロナウイルスの感染者数が再び伸びています。」とテレビで報道され、このまま第2波が来るのでは?といった心配の声があがっています。この報道を聞き、本当に4月の頃より増えているの?といった疑問が浮かびました。
今回は7月現在と4月での新型コロナウイルス感染状況について書きたいと思います。
・4月と7月では感染者のタイプが変わった
今回の調べでは東京都に限定し、感染者数がピークを迎えた4月(4/9~18)と徐々に増えだした7月(7/3~12)の10日間で比較したいと思います。※以下、4月は4/9~18、7月は7/3~12の期間を指します。
①PCR検査陽性者数
4月:1502人 1日あたり約150人
7月:1404人 1日あたり約140人
PCR陽性者数は4月のほうが10人程多い状況でした。しかし、10人程度の違いはほとんど差はないといえます。
②PCR検査実施数
4月:2621回 1日あたり約262回
7月:15922回 1日あたり約1592回
7月のPCR検査実施数は4月と比較して6倍以上となっています。これは検査できる環境が整い、PCR検査を受けやすくなったことが理由として考えられます。
③PCR陽性率
4月:57.3%
7月:8.8%
PCR検査での陽性率は4月では57.3%と半分以上の方が陽性となっていたのに対して7月は10%以下となっています。こうして見ると7月に入ってから陽性者数は増えていますが、PCR検査数が増えたことが影響していそうです。また、4月はPCR検査が受けていない感染者が多くいたのでは?とも考えられます。もし4月のPCR検査数が7月と同じだったと仮定すると9124人程度の人がPCR検査陽性と判定されていた可能性があります。これは7月の6.5倍程度の感染者数となります。
この結果から7月の感染者が必ずしも4月と同じであるとは言いにくいことがわかりました。しかし、だからと言って安心して大丈夫なのでしょうか?そこでコロナウイルスに罹患して亡くなってしまった方の数を比較してみたいと思います。
④死亡者数
4月:32人
7月:0人
感染してから亡くなるまでの期間がありますので単純比較はできませんが、死亡者数は4月のほうが非常に多いことがわかりました。重症化する感染者も多かったと想像できます。
この違いはどういったことが原因なのでしょうか?4月と7月で罹患した年代に変化があったのか見てみたいと思います。
⑤PCR検査陽性者の年代別比率
上図のとおりPCR陽性者を年代別の割合にすると、4月は50代以上が44%を占めているのに対して7月では12%と大きく低下していることが分かります。このことから4月は年齢層の高い方が多く感染したため、死亡者数に表れたということがわかります。
また、7月は10~20代が50%と4月と比較して大きく伸びています。最近ではホストといった夜のお店でのクラスター化が問題視されていますが、若い世代で体に異変が起きたり、周りに陽性者が出たためPCR検査を受けに行ったら陽性だったというケースが増えたのでしょう。
・取るべき行動を個人が決断するということ
この調べから4月と7月で感染のタイプが変化していることが分かりました。これからは感染者数を減らすことよりも重症化する方を減らすことに注力する必要があると思います。
クラスター化してしまう夜のお店の従業員にはPCR検査を義務付けたり、そのようなお店は国や都が補助金を払ってでも閉めていてもらうといった施策が必要かと思います。
これからGOTOキャンペーンが始まると旅行して他人と触れ合う頻度が増えるため、感染者数が増加することは避けられないと思います。もちろんそんなことは国は想定していると思います。ベストな選択ではないと思いますが、このタイミングで動き出さないと日本の経済が本当に終わってしまうのでしょう。
この状況をどのように受け止めて行動をとるのか。大変難しい問題ですが、一人一人がよく考えて責任をもった行動をとることが求められているのかなと思いました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。